まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ

これは有名な投資家のジョージ・ソロスの投資にまつわる格言です
株が暴落した時もすぐにパニックにはならずに、冷静になる事が大事で、すぐに全て売るのではなく保有を続けたりむしろ買い増したりする事も選択肢として残しておく、下手に動くとさらに傷口が広がる場合も多いという事です
相場が終わってしまう訳ではなく、またチャンスは必ず来るのでとにかく生き残って投資を続けることが大切だから、退場しないようにあまりにリスクの高い信用取引やレバレッジなどは避けて、リスク管理をしっかりとしなければなりません
これは投資の話ですが、ビジネスにも通じる部分もあると思います
特に最近は様々な要因から我々のような買取業者も生き残っていく難易度は上がってきていますし、リスク管理は本当にしっかりしなければなりません
お陰様でここ数年仕事の方は堅調に推移してはいますが、それでも年々業界の状況が厳しくなっているのは感じています
理由としては挙げられるのはまずは、ここ数年のインフレが様々な所に押し寄せているという事です
例えばガソリン価格・家賃・人件費・配送料などから、使用する資材など細々したものまで軒並み値上がりしています
さらに大手業者の影響もあり広告費も徐々に上がってきています
それに連れて古美術の相場も同じくらいあがっていれば、大きな問題にはならないのですが全般的には横ばいだったり下がったりとしているため利益率の確保はなかなか難しくなってきています
次に団塊の世代の荷物整理が、大分進んでいるという事です
こちらのブログでも何度か書いていますが、日本が高度経済成長からバブル期にかけて過ごしてきた団塊の世代の方達は質の高い品物を買ったり贈ったりしてきました
そういった品物は現在、日本国内だけでなく中国や東南アジアの人達にも需要があり、また自分達の両親の品物(戦前戦後)も相続している場合などは思わぬ名品をお持ちだったりします
そういった方たちの荷物整理が完全に終わってしまったら、おそらく我々のような買取業者はなかなか生き残って行くのは至難の業だといえます
後はかなり前から浸透してきて、さらに最近加速度的に進化しているのが生成AIなどを利用したアプリと個人でも売れるチャネル(メルカリなど)の充実があります
つまり品物によっては業者などいらず、個人間取引で済んでしまう時代になったという事です
こういうものがなかった時代は一般の方は調べる事も困難で、売り先もほとんど無かったため業者にとっては天国のような時代だったと思います(競合も今より圧倒的に少なかっただろうし)しかし当社が買取を初めた頃にはもうその様な甘い状況ではなく、かなり苦労もしてきました
特にここ最近の生成AIの進化を見ていると本当に業者など全くとはならないまでも、かなりの部分で不要になっていく可能性もあります
そして何より当社のような規模の業者(2店舗・スタッフ3名・3台)にとって、一番状況を厳しくしているのは大手企業の進出と拡大です
ブランド・貴金属をメインとしながら古美術も扱い始めたり、テレビcmを大々的に流したり、数十の店舗を構えたり、そこに投じられる圧倒的な資金力や人員を前にすると真っ向勝負してもまるで勝ち目はありません
話を聞いていると当社と同じ様な規模の業者は、軒並み苦戦している所が多いです
それはそうです
例えば広告費を少し増やした所でその数十倍〜数百倍、売上規模でいってもまるで桁の違う相手にはほとんど意味がないと言っていいです
もちろん資本主義の世界なので、投資して努力した企業が成功するのは当たり前ですし、彼らの努力によって我々では届かないお客様にリーチして、ゴミで捨てられたかもしれない価値のあるものを買取ったりと業界にとってもメリットは大きいです
そうは言っても今まで通りの動きをしていては、そういう大きな波に飲み込まれてしまうだけなので、頭をフル回転させて当社が役に立てるお客様にリーチ出来るように投資していかなければならないですし、その上で満足してもらってリピートや紹介を増やしていかなければなりません
実際の所最近の当社の仕事の多くが、新規以外のお客様だったりします
つまりこれから生き残るためにも新規とリピートの両方をしっかりと獲得していかなければなりません
そのためにも適正な投資(広告費や設備など)と買取価格を出していかなければなりません
とりあえず今は、大きな儲けよりも生き残る事を第一に進めていこうと思っています
そうしていればいつか大きなチャンスを掴めるときも来ると信じて