インターネットは情報の民主化 骨董業界への影響

一般的にインターネット時代が始まったのは、 1995年にマイクロソフトが画期的なosを搭載したWindows95を発売してからとされています
当時学生でそういった事にかなり疎かった私でも、大きなニュースになったのは覚えています(何日も前からならんで買えた人が商品を掲げるシーンはニュースになっていました)
そしてなぜWindows95が画期的だったのかというとインターネット接続機能を標準装備していた事にあります
さらにパソコン自体の性能も向上し、一部の人だけでなく多くの人が使いこなせるようになり、生産数も上がり価格も手が届きやすい値段になり、爆発的に広まりました
世界中の人達がインターネットにつながって、様々な情報が加速度的にインターネットに掲載される事になり、それを誰もが簡単に知る事になりました
それまでは特定の業界・業種にいなければ手に入らなかった情報が、インターネットを通じて誰もが簡単に(時間的にもコスト的にも)手に入る様になりました
これが「情報の民主化」というものになります
これは本当に人類において革命的で、産業革命以来の出来事と言われています
この後スマホなどの登場により、さらにほぼ全ての国民がその恩恵を受けられる様になりました
それはユーザーにとってはもちろん良い事が多く、調べたり知ったりするのにかかる時間やコストが激減しました
その後YouTubeなどの動画やSNSによって、様々なプロしか知らなかった様な知識や、やり方も無料で仕入れる事が出来るようになりました
職人の世界でも最初YouTubeでやり方を覚えて、繰り返していくうちに本当のプロになって独立、活躍している人も沢山います
もはや学校や会社に入らなくてもいい時代になりました
もちろん学校などを全て否定するわけではありませんが、時間やコストを考えるとこういうやり方は時代に沿っているような気がします
そしてこういった流れが骨董業界も大きく変えました
そもそもインターネットのない時代は様々な業界で既得権益が、今よりも力を持っていましたがそれが大分崩れてしまいました
特にこの業界は元々閉じられていた世界で、業界の事、相場、知識、売り方などなかなか外の世界の人にはわかりませんでした
なので販売にしても買取にしても、業者の言いなりになってしまう事も多かったと思います
「昔は良かったなぁ、今は客が賢くなっちゃって駄目だよ」
こういう台詞は本当によく聞きました
いま買取にお伺いした時にも当時買った品物の値段を見ると、いくら昔は売れていたとはいえ「そんな値段で買ったのですか?」と驚く事もしばしばです
それでも当時はその価格が高いかどうかを調べる術はほとんど無かったですし、欲しければ言い値で買うしか無かったのでしょう
さらに世の中の景気も今より遥かに良く、骨董品も人気が高く苦労せずにどんどん売れていた時代もそれに拍車を掛けていました
買取に関しても同じで、自分達が持っている品物の価値や相場を調べる事はなかなか出来ないですし、今より業者も少なく業者を調べる事も困難だったでしょう
まぁ既得権益というか本当に業界的には潤っていた時代だったのでしょう
それがインターネットの登場によって、様々な事が可視化されて品物の値段(相場)を調べる事もアプリ等により出来るようになり(特に作家物・ブランド物などは簡単です)自分で売る事も出来るようになり(メルカリやヤフオクなど)買う場合も業者の値段が高いか安いかも判断はしやすくなりました
そもそも骨董品もネットで買う時代になりました
こうなると昔のやり方は通用しなくなりました
ふわっとした知識だけでは駄目ですし、相場も常にアップデートしていかないと安く見積もりしても買取れないですし、高くしすぎると損したりしてしまいます
また昔に比べて最近特に業者も増えてきているので、集客に関しても何倍も努力していかないとうまくいきません
さらにはさっきも書いたようにお客様自身でネットで売る事も出来る時代なので、売れるものだけを求めていては成り立たなくなっています
例えば運び出しなどで難がある大型家具なども扱わなければならないですし、遺品整理・処分に関してもアドバイスできる位出来ないとといけません
もちろん横柄な態度なんて論外ですし、他の接客業同様、丁寧な接客が大事になってきます
こうしてみると業者にとっては受難な時代かもしれませんが、トータルで考えると透明性が向上して当たり前の世界になってきたとも言えます
またそういった流れに対応していかなければ当然ですが生き残れません
健全に堅調に続けていくというのがこれからの骨董業界のような気がします