古美術買取業は富裕層ビジネス?当社の考え

2023-12-23

  • 買取業界の事情

一点で数十万円以上評価できる古美術品は、実は結構少ないです(もちろん数十点お持ちのようなお客様もいらっしゃいますが…)

例えばこの間帰った時に、私の実家の中を見回してみると(それほど貧乏ではなく、ほぼ中流)古美術買取業者の目線で見ると、高く評価できる品物は一点もありませんでした

元々美術品に対する興味がない場合、例えば富裕層の方であっても評価できる品物がほとんどない事もよくある事です

なのでブランド品や高級時計、アクセサリーなどの貴金属と比べると圧倒的に埋蔵量は少ないです(富裕層の方達の家でこういうものがない事はほとんどありません)

古美術品などは元々衣食住すべて満ち足りた方が収集するもので、富裕層の方の家に名品が必ずあるとは言えませんが、名品が富裕層の方の家にある確率は高いと思います(もちろん例外もありますが)

実際この仕事を始めてからブログでも以前書きましたが、それこそゴミ屋敷から驚くような豪邸まで数千件以上お伺いしましてこれは間違いありません

また古物市場で名品を数多く売ると「いやぁ、よほどいい家だったんだねぇ」「普通の家にはないものだったねぇ」などと言われますし、同業者と話をしているといかにお金持ちの家に入れるかが重要だと力説する人もいます(たしかにおおよそ同意できますが、そこだけに特化していては成り立たないので、当社はもっと幅広く依頼を受け入れるようにしています)

そして縁があり買取らせていただいた名品の納め先は骨董屋にしろ、お客様にしろやはり富裕層である場合がほとんどです

一般のお客様はもちろん、業者であってもそうで価格の高い名品を業者市場で競り落とすには(時には複数点)目利きだけでなく相応の資金力が必要になります

つまり当社のような買取業者が名品を扱う場合には、もう働かなくてもいいようなお客様から買取らせていただいて、もう働かなくていいようなお客様(業者も含めて)に買っていただく仕事になるので、ある意味富裕層ビジネスと言えます

もちろん当社のような業界に関わらずビジネスのメインターゲットとして、富裕層を狙っている業界は多いと思います(不動産業界・アパレル・住宅関連・観光業界・観光業界などなど)

言い方は悪くなりますけど無い袖は振れない方達よりも、お金が余っている方達を相手にした方がチャンスは大きくなります

実際にこの業界では「金持ちのゴミはゴミじゃないんだよ」という台詞は何度も聞いてきましたし、私自身もお客様がゴミで捨てようとしていた品物を「これちゃんと買えますよ」と言って買取させていただいた事は一度や二度ではありません

またこの仕事あるあるですが査定した後に「そんなに高く売れるの?同じようなやつもっとあったけど全部捨てちゃった」と言われたことは数え切れないほどあります

もちろん他業種と同じように富裕層の方を相手にする以上、商品知識(目利き)・常識的なマナー・資金力などが必要になってきます

実際に老舗の美術商などは名品(少なくとも10万円以上の品)しか扱わないお店もあったりします

「〇〇の名前を下げる様な物は扱うな」という事だと思います

もちろんそれはそれで良いと思いますし、元々古美術の世界というのはそういう限られた世界なのかもしませんし、そうやって富裕層ビジネスとして成立させていれば間違いなく成功なのでしょう

そしてそうした業者とは逆で、個人レベルでやっている業者などは目利きもマナーも資金力もすべてレベルに達していない場合が多いような気がします

当社としては他山の石とするように、全ての面でレベルアップしていけるようにしなければなりません

幸いにここ数年は多くのお客様から依頼をいただいて、経験や資金力に関してはまだまだ満足はしてはいけませんが、日々努力して向上しているつもりです

しかし当社としてはそこだけを狙っていくつもりはなく、幅広い層の要望に応えられるようにしていくつもりです

一点一点の評価は高くなくても量が多くてどこから手を付けていいかわからない、時間のない中で整理しなければならなくて困っている

そういう要望にも常に満足してもらえるように人・車・倉庫なども確保するようにしています

つまり日本の上位に位置するお客様や、名品の買取がいつ来ても大丈夫なようにしながらそれ以外の様々な案件にも対応できるような買取業者を目指していければと思っています

 

 

 

 

 

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