ニュースでもよく流れていますし、最近は投資熱も高まってきているので知っている方がほとんどだと思いますが、金の価格がここ最近上がり続けています
コロナ前には純金gあたり5000円ほどだったものが今では12000円を超えるまでになりました
つまり4-5年で倍以上になっています
これは好調と言われる米国株や都心部の不動産価格よりも高い上昇率になります
その高騰の要因はいくつかあります
まずコロナウイルスという世界的なパンデミックやロシアのウクライナ侵攻、さらにガザ地区と世界情勢の不安定が一番の要因かもしれません
昔から「有事の金」と言われるように世の中が不安定になると、現物資産と言われる金を買う動きが投資家や富裕層を中心に盛んになります
株や債券はその国や企業が打撃を受けると紙くずのようになってしまう可能性があり、リスク分散の意味でも需要が高まります
また投資以外にも宝飾品や工業製品としての需要も旺盛で供給が追いついていない側面もあります
金の生産量は2016年以降おおよそ3500トン程で推移していて、さらに有限なものですので投資での需要が無くならない限りはなかなか下がる可能性は少ないかもしれません
また先に書いた世界の情勢不安もパンデミックは落ち着いたものの、紛争は次々起こりなかなか安定には程遠いと言えます
そしてさらに拍車をかけるのが円安です
金の取引は基本的にドル建てで行われるので、ドルに対する円安が進めば当然金の価格は上がっていきます
この円安傾向も日米の金利差などを考えますと、なかなか円高に振れることはすぐには起こりそうにはありません
長々書きましたが、金の相場はしばらく高値安定しそうで我々古物の業界でも金の比重はどんどん高まってきています
当社は骨董品や家具、古道具などをメインにしていて貴金属等はそこまで積極的に扱ってはいませんが(もちろん依頼があればその時の相場で買い取りもしますが、こちらから貴金属ありませんかと営業する事はありません)金やプラチナがメインの業者は売りたい人も増えて相場も上がっていますので、活況を呈しています
御徒町などの貴金属業者の集まっている所は人の数が目立って増えていますし、大手などは持ち込み客が多すぎて新規のお客様を断ったり、買取価格が高くなりすぎて現金での支払いをやめて振込での支払いに変更したりという事も起きています
そしてその波は当社のような貴金属をメインとしていない業者にも影響を与えています
実際にあった話ですが茶道具や備前焼の花瓶などが結構量があったものの、茶道具はそこまで有名な作家のものではなく、備前焼きは人間国宝の作品ではありましたが、よくあるタイプのもので今ではあまり高くは評価できませんでした
それでも量もありましたし、状態は良かったので今の相場でしっかり査定したのですが、その時に同時に査定を頼まれた金のネックレス(重量のあるタイプ)二本の査定額の方が高くなってしまいました
その時に言われたのがタイトルのセリフです
どちらも今の相場での査定なので仕方ありませんが、お客様からすると時間とお金をかけて集めてきた品物よりも、ネックレス二本のほうが高いのは仕方がなくても複雑なのはもちろん理解できます
そして今後もこういう事は増えてくると思います
残念ながら日本の骨董品はバブルの頃と比べると、相場が下がっている品物の方が多く(一部当時よりも上がっている物もありますが)逆に金の相場はバブルの頃よりも5倍以上になっています
さらに先ほども書いたように要因としてはまだまだ上がる可能性の方が高く、ますます骨董品よりも価値が高くなっていく事が考えられます
骨董品も金の様に需要が高まり、相場が同じように上がっていってくれればいいのですが、そういう風になる可能性は低いでしょう
もちろん金も上がっていくであろう相場に合わせて買取は続けていきますが、それでも当社はこれからも地道に骨董品・古家具・古道具を中心に査定・買取を続けていこうと思っています
ですので査定の依頼の時にたまに「でも貴金属はないけど大丈夫?」と聞かれることがありますが全く問題ありませんので、お問い合わせください