日本人形や着物、本当に高く買ってくれるのか?

2023-08-31

  • 買取業界の事情

以前より着物高価買取をメインで謳う買取業者は多かったですが、最近はそれに加えて日本人形の買取を前面に打ち出した買取業者も出てきました

古物を扱う業者でしたらわかると思いますが、この二つのジャンルの買取で利益を出していくのはかなり難しいです(特に日本人形は)

もちろん中には人間国宝の作家物や江戸時代の物などは高く評価できますし、着物でも龍村などの作家物や宮古上布などは高価買取可能ではあります

ただし基本的には買取できないものが多いですし、出来てもあまり高く評価するのは難しい場合が多いです

そのうち今、買取が難しい「桐箪笥高価買取」なども出てくるかもしれません

業者にとってはあり得ないと思っても一般の方の中には信じてしまう方はいるでしょうし、困っている人は多いので少なくとも問い合わせがすごい事は想像できます

なぜならまるで謳っていない当社にも毎日、日本人形・着物・桐ダンスなどは問い合わせがあります

それは整理に困っている人が多いからだと思いますし、そういう意味ではマーケットのニーズに合っているとは言えます

そのまましっかりと高価買取をしていれば問題ないのですが、先ほども書いたように今国内においても海外においても需要のあるものでは残念ながらありません

少なくとも巨額の広告費を使ってまで合うようなジャンルかというと、かなり疑問です

ではなぜこのような広告を打つかというと、訪問のアポを取るためで目的はおそらく、貴金属やブランド品、骨董品の買取ではないでしょうか

実際に日々買取業務で動いていると、以前にこういう業者を呼んで後悔したお客様をたくさん見てきました

「着物なんかほとんど見ないで、アクセサリーとかありませんか?ばっかりだった」とか「査定にものすごく時間をかけてたけど、査定額はものすごく安かった」「うちもノルマがあるのでいくら以上の買取をしないと帰れないと言われた」などなど

もちろん全ての業者がそういうわけではないと思いますが、同業者もみんな聞いているみたいです

普通に考えたら貴金属やブランド品・骨董品の買取がしたければ、広告でそれを前面に押し出してやればいいと思うのですが、それでは駄目という事なのでしょう

そのやり方ではブランド・貴金属・骨董品の業者と競合するし、そのワードで検索する人は相見積もりをする可能性も高いし、品物の価値がわかっている人相手では安くは買えません

それでは儲かりません

価値がわかっていない人から強引に安く買わないと、あれだけの規模と広告費を払って利益を出すのは難しいのでしょう

もちろん人形はともかく、着物は専門でしっかり真面目にやっている業者もいます

でもそもそも規模・広告費も違うので、問い合わせの多くはこういったフック商材(エサ)で利益を上げている業者の方にいってしまうのです

資本主義ですし法には触れていないので(グレーな部分がある場合もありますが)問題はないのですがたまにこういったgyoushani 太刀打ちできない無力さに打ちひしがられる事もあります

たしかに私もこの業界にいるからわかりますが、いなければテレビCMや大量のネット広告・全国展開している規模などを信用していたと思います

それぐらいの規模の業者は予算をかけていろいろリサーチをして、そのフック商材(エサ)に辿り着いたのでしょう

それでも当社はそういうやり方はしないでいこうと決めています

なので生き残っていくために頭と体を最大限使っていこうと思います

 

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