もう数年前の話になりますが、メールで買取依頼の問い合わせがありました
そこに写っているのは庭先にある火鉢や石灯篭など、正直あまり高価な買取が出来そうなものではなかったのですが、せっかくお問い合わせいただいたのでお客様のご都合に合わせてお伺いすることに
到着して品物を見させていただくと、やはり状態もあまり良くなくそれほど古いものでもなく予想通りの品物でした
でも捨てるのは忍びないというお客様のお話もあり、あまり高い金額ではなかったですが買取させていただくことになりました
話がまとまった後「実は他にも見ていただきたいものがあるのですが」と言われて自宅の中にお伺いすることに
「2階にあるんです」と言われて2階に行くと、そこには棚一杯のこけしが並んでいました
「すごいですね」というと「足元にある段ボールの中も全部そうなんです」と周りを見ると大型の段ボールが10箱ほど、中を見ると大小のこけしがぎっしりと…
棚もこけし用にオーダーで作ったらしく、こけしの総数は約2000本くらい
話を聞くと亡くなったお父様が趣味で骨董市・旅先・こけし交換会などで集め続けたみたいで、亡くなった後は数年このままだったとの事
実際棚の中のこけしの一部が横倒しになっていたのは、当時の8年前にあった東日本大震災が原因でそのまま放置していたみたいです
つまり残された家族は、全く興味がなくて邪魔なだけ「何とかしてもらえますか?」との要望でした
そういわれてみると、数年放置されているこけしはなんだか寂しそうな雰囲気がしていました
そこにあるこけしは、多くは温泉地のお土産だったり近年の無名の作家物だったり、あまり評価が高くないものが多かったのですが、一部戦前のものや有名な作家の物もあり査定して買取させていただきました
お客様も喜んでいただいて、後日スタッフ3人車2台で半日かかりで運び出しました
その後こけしはネット・イベント・業者さんなどに販売し、すこし時間はかかりましたがすべて嫁入りさせることができました
あのまま放置されたままだったり、その後廃棄されたかもしれないことを考えると
「いい仕事したなあ」と軽く自画自賛しました