仕事は努力や資質より時代の応援が大事?

2024-02-16

  • 深沢美術店のこと

前職の頃の話になりますが(今から20年ほど前二輪雑誌の出版社で勤めていました)当時自社で発行していた雑誌の広告営業をしていた時、そこそこ売れている雑誌もありましたが売り上げが伸び悩んでる雑誌もありました

営業にとって売れていない雑誌の担当になってしまうと、これはかなり厳しい事になってしまいます

入社して3年目くらいでだいぶ慣れてきた頃に、売れずに苦戦していた雑誌の担当になった事がありました

これは本当にキツかったです、それまでは営業成績も上の方だったのにどんどん下がっていきました

まず第一に売れていないとそもそも知名度がないし、よく知らない雑誌に広告を打とうと思う人はまずいません

そして頑張って何とか契約を取ってもやはり発行部数が苦戦していると広告効果も薄く、長続きはなかなかしません

そうなるといろいろ企画を考えたり資料を作ったりして提案していても「でも効果はあまり期待出来ないかもなぁ」と思ってしまうと強気には出れなくて、ますます契約が取れなくなってしまいます

まさに悪循環です

頑張って営業してもむしろ結果的にお客さんに迷惑をかけてしまう事にもなり、ストレスもどんどん溜まっていきます

そんな中その雑誌が廃刊になり、別の雑誌の担当になりました

新しく担当した雑誌は当時のブーム(ビックスクーターブーム)にもうまく乗っていて、今までと違い営業すればするだけ契約が取れて広告効果も出るのでお客様も喜び、会社も儲かり自分も成績が上がりまさに三方良しになりました

私自身は何も変わらないのに、結果は大きく変わって精神的にもだいぶ楽になりました

さらに私が働いていた時よりも20年くらい前のバイクブームの頃は、出版社の営業は雑誌の広告ページが満杯で断るのが仕事という時代もありました

その頃は給料も右肩上がりで、経費で毎晩飲み歩いたみたいな武勇伝をよく聞かされていました

なので実体験として本人の能力とか努力以上に、時代とか環境によって結果は大きく変わる事を知りました

もちろんどんな状況でも頑張る事は大事で、周りは自分が期待するほどではなくても見てる人は見ていてくれていて、働く業界は変わっても今でも仕事やそれ以外でも付き合いのある人はいます

話は今の業界(骨董・買取)の話になりますが、本当にいい時代はとっくに終わってしまっていて、ある意味斜陽産業と言ってもいいかもしれません

骨董品の相場などを聞くだけで昔は今とはまるで違いますし(絵画、茶道具など)その値段でしかも飛ぶように売れたら、そりゃあ儲かるよなぁと思ってしまいます

当たり前ですが手間が同じなら単価は高いほうが利益は出やすく、当社も当時に今と同じように働いていたら今より少なくとも倍以上は利益が出ていたでしょう

そんな事は言っても仕方がありませんが、羨ましいのは羨ましいです

さらに今よりも閉じられた世界で競合も少なく、ネットも無い時代は既得権益が守られていてみんなでしっかりと儲けられた時代だったと思います

それが相場が下がった上に競合が増え(特に大手企業)ネットフリマやネットオークションなども拡充したので業界的にはどんどん難しくなってきています

でも世代的に(40代後半)団塊の世代やバブル世代のように、基本的にバブルの恩恵はあずからずに生きてきたので慣れてはいます

しかしそんな古物業界でもここ10年15年ほどでもいくつかのバブルは起きています

一番は中国美術バブルです

ここ一年ほどで中国経済の減退を受けて大分相場も落ち着きましたが、このバブルに乗って数年で一生で使い切れないくらい稼いだ人もいましたし、当社もそんなレベルではありませんがその恩恵にはあずかりましたし、それがなければ大分厳しかったと思います

それ以外でも草間彌生に代表される現代アートや、浮世絵などの版画などは海外需要によって相場も大きく上がりました

後は当社はメインでは扱っていませんが金(gold)もここ20年で約10倍近くなっていますし、最近10年でも倍にはなっています

他にもおもちゃ(ソフビや超合金)や鉄道模型などもレアなものなどは、ここ数年で5倍10倍になっているものもあります

それは昔買えなかった人たちが40代50代になってお金を使えるようになり゙、ネットオークションなどで競って買うので相場がどんどん上がっています

相場は常に需要によって決まってくるので、この辺は古美術品とは逆で伸びています

昔は業者市場でも美術品を扱う骨董商がメインで、おもちゃなどを扱う業者は端にいた感じもありますが、今はそれらをネットで捌く業者の方が勢いがありこれが進むと主役も交代していくかもしれません

これも時代の流れなのだと思います

単純に隣の芝生は青いとかではなく、ある程度時代の変化に順応していく事はビジネスの基本だと思うので当社としても今まで行っていた事はしっかりと行いながら、色々と戦略は練っていかないといけません

努力をするならば企業ですし従業員もいますので、利益は確保しなければなりません

そしてその利益を再投資して結果的にお客様にも還元して、ビジネスを大きくしていって競合他社を総合的に上回って行くことが大事です

そうすれば1つの買取で無理して大きく利益を取ろうとしたりとか(売れるものを不当に安く買ったり)必要な設備投資をしなかったりとかしなくても済みますし(そもそも安く買おうとしても買えるほど今は甘くありません)クオリティは上がっていきます

そうしていかなければうまくいかない甘くない時代です

残念ながら何も考えずに頑張るだけでは、年々厳しくなっていきます

時代の流れを読んで時代に応援してもらう事が大事だと思います

 

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