買取をギャンブルではなく、ビジネスとして向き合っていく

2023-08-24

  • 深沢美術店のこと

古美術・骨董業界はどこか仕事をギャンブル的に捉えている所があって、特に買取業者にはその傾向が見られます

極端な事を言うと1年に1度しか仕事(買取)をしなくてもそれで1億儲けたら「あの人当てたね~」「持ってるね、本当にすごいよ」と称賛されます

そのためか買取業者の中には「何か中国物とかで当たらないかなぁー」とか「お客が捨てようとしてるものの中に名品混じっていないかなー」と言っている業者も結構います

つまりなるべく多くのお客様に呼んでもらって、沢山の品物を買取りする事に力を入れるのではなくて、宝くじに当たることを夢見ているのですが、こういう業者は今軒並み苦戦しています

それはそうです。当社も買取に日々回っていて感じるのは団塊の世代の荷物整理が徐々に終わりつつあり、買取に出てくる品物自体が確実に減ってきているのに業者の数は増えてきていて、さらに芸能人を使ってテレビCMを流しているような大手業者はどんどん予算を増やしています

つまりパイは減っているのに、参加人数が増えていてさらに大手がシェアを拡大していれば、仕事が減っていくのは当たり前です

でも宝くじが当たるのを待っている人達の気持ちも、全くわからないわけでもないです

なぜなら不思議なもので大して努力していない業者に何故か良い仕事がきて、楽に大儲けした話をよく聞きます

ある意味本当に理不尽な世界です

私も何度も悔しい思いをした事があります

それでもそういった事に惑わされずに目一杯の努力をしていないと、昔だったら何とかなっていたかもしれませんが今は日に日に苦しくなっていきます

むしろ大当たりがなくても成り立っていけるような、制度設計をしていかなければなりません

まず第一に会社としては当たり前ですが、年間での売り上げ・利益目標をしっかりと決めて、それに向けて計画を実行していきます

信じられないかもしれませんが、個人レベルでやっている買取業者はこの辺もあやふやな所が多いです

それは1件の当たりが大きい事が、まれにある弊害だと思います

特に買取件数の少ない業者だと1年の中で、当たりがあるかないかで売り上げが大きく変わってしまうため目標を立てづらいためだったりします

また集客についても例えばチラシを配布するとして、不動産屋やピザ屋などはこの地域に何枚配ればどのくらいのレスポンスがあって、どのくらい成約するというデータがあると思うのですが、買取業者の場合は何件問い合わせがあるかより問い合わせ内容が重要であったり、結局当たりがあるかどうかなのでデータも計測しにくかったりします

なのでいわゆる行き当たりばったりになってしまいがちですが、むしろ「俺たちは一般社会とは違うから」と肯定的に捉えたりしています

しかしそれでは仕事がギャンブルになってしまって、ビジネスではなくなってしまいます

当社では買取業務をビジネスとして向き合っていこうと思っています

そう書くと何か冷酷なイメージを持たれるかもしれませんが、そういう事ではなくしっかりと売上目標を立てて、そこから逆算してその目標に到達するために必要な買取件数を割り出して、さらにその買取件数を獲得するために必要な問い合わせの数を計算します

そしてその数のために過去の実績を見ながら、適切な広告を打つようにしています

その上でしっかりと査定・接客をしていればある程度の量の品物を買取らせていただく事はできますし、売り上げも安定してきます

そしてこういう形で堅実に動いていると大当たりがなくても存続・成長はできますし、年間というスパンで見ると大当たりまではいかなくても、単価の高い仕事が入ってきたりします

前職でサラリーマン(営業)の経験があるせいかもしれませんが、仕事や会社というのは行き当たりばったりではなくて、しっかりと計画して堅実にやっていく事が重要だと思っていますし、それが長い目で見れば会社にとっても従業員にとってもお客様にとっても一番いいのではないかと考えています

 

 

 

 

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