なぜ大手買取業者は着物と切手の買取を前面に押し出すのか?

2022-02-24

  • 深沢美術店のこと

このブログでも何度か書いていますがここ数年、元々ブランド・貴金属をメインにした大手企業が骨董品買取にも進出してきています

彼らは母体が大きく資金力があるので、膨大な広告宣伝などによって我々のような中小の買取業者は多くのお客様を取られているのが現状です

そしてそんな彼らが広告で主にアピールしているのが着物と切手になります

どうしてこの2つなのか、もちろん大手ですのでいろいろリサーチして試した結果今のやり方が一番効率が良いという事だと思うのですが、日々買取現場を回っていて感じるこの2つを打ち出す理由を考えてみたいと思います

まず着物についてですが、当社も買取をしていく中で多くの着物を取り扱います。着物をよく着ていた人たちがお亡くなりになったり、整理を始めたりという事で年々取扱量が増えています

そして買取させていただいた着物は着物専門オークションに出品したりして売ったりするのですが、実際の所着物の売り上げで数十万単位になるのは年1~2回程度で、箪笥一棹分で1~2万円位の売り上げがほとんどです

購入した時のお値段からすると本当に安くなってしまいますが、これが需要が減り手放す人が増え続けている中古着物の現実的な相場です

この事からもわかるように多額の広告費をかけても、割に合うような商材だとはとても思えません

もちろんこれにはカラクリがあるのですがそれは後で書くとして、確かに着物は今あまり高くは売れませんが買取を日々している人間からすると「本当に着物ってまだまだ沢山あるなぁ」という事は実感しています

この着物のいわゆる埋蔵量は骨董品の比ではありません

骨董品は趣味のものですが着物は衣食住に属する日常的なものなので、古い家で着物が全くない家の方が珍しいくらいです

なのでキッカケとして骨董品買取を全面的に打ち出すよりも、着物買取を打ち出した方が問い合わせが増えるのは理解できます

当たり前なのですが我々買取業者はまずお客様から呼ばれない事には何も始まりません

そしてこれはさっき書いたカラクリにもつながるのですが、良い着物をお持ちのお客様は比例して他にも良い品物を持っている可能性が高いです

特にブランド品と貴金属です、この辺は当社はあまり力を入れていない部分なのですが特に金はここ数年高値安定しており利益を上げるには一番簡単で確実な商材になります

またこれは昔からある事ですが着物屋さんが着物の買取に呼ばれて、買取が終わった後に他の美術品を「着物だけじゃなくてこういう物も取り扱っていますから」と言って他の業者を呼ぶのも面倒な方はそのまま売却して、着物の数倍の利益を出したりする事もありました

それを今は大手買取業者がやっています。つまり着物はブランド品・貴金属・骨董品にアプローチするのに最適な入口といえるのでしょう

次に切手ですがこれは切手自体がお金のようなもので、もし安く買えたら間違いなく利益は出ますし真贋の鑑定もほとんど必要ありません

そして着物と同様に買取に伺って実感しますが、本当に切手もお持ちの方が多いなあいう事

一昔前は切手収集を趣味でしている人が多かったですし、定期的に記念切手シートを購入していた人も多かったです

なのでこれに関しては着物と違ってそれ自体が買取対象になります、そして私がお客様や同業者から聞くところによると買取価格はかなり安い場合が多いみたいです

それでも大手企業の肩書の力が強いのか、他を呼ぶのが面倒くさいのか売ってしまう方が多いように思います

これらを考えると確かに骨董品買取などを前面に出すより切手・着物を前面に出す方が賢いんだろうなあと思ってしまいます(ここで貴金属を前面に出してしまうとそれはそれで警戒させてしまうでしょうし)

でもやはり当社は骨董品買取を前面にだして営業していこうと思います

効率は悪いかもしれませんが、信用してくれる方もいますし裏技ではなくストレートな方が心情的にもやりやすいですし

もちろん切手も貴金属もお客様から依頼されれば、今の相場でしっかりと査定しますのでお問い合わせください

当社は骨董品を中心に幅広く対応しています

 

 

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