円安とインフレが与える影響と生き残り戦術

2024-06-04

  • 買取業界の事情

円安とインフレの状況 

2022年前半までは1ドル110円程度だったのが2023年半ばには150円台まで進み、一時130円台まで落ち着いたものの2024年現在160円近くまで円安になっています

たった2年でドルの価値は1.5倍になり(円に対して)日本円で貯金している場合、単純計算で3分の2に目減りしている事になり、貯金額が多ければ多いほど損失額が大きくなります(海外に行かず日本のみで生活しているとそこまで実感はありませんが)

また原材料やエネルギーも円安の影響で値上がりしていて2022年以降3%以上の物価高(インフレ)が起こっています

仮に2024年中もこのインフレ率が続けば3年間で約1割物価が上がる事になります

そうすると3年間で貯金額がやはり約1割、実質目減りする事になってしまいます(金利がほとんどなく利息が付かないため)

この辺を駆逐するくらい賃金が上昇していればいいのですが、実際はそうなっていなく2年以上実質賃金がマイナスになっています

つまり国民の生活は全体的に厳しくなってきています

そんな中我々の業界はどのような状況かというと、まずガソリンがここ2年で1割ほど上がっており、また人件費も一応物価高に負けないほどは挙げているので2年で約1割は上がっています

それ以外にも様々な雑費の値段、業者市場・インターネットオークションの手数料、さらにインボイス導入による税負担の増大(当社は消費税課税事業者になります)など、とにかく固定経費は大きく増えています

もちろん経営的には厳しい状況ですが、これらの削減には限界があります

我々のような買取業者はお客様から呼ばれれば遠方であっても出張査定に伺いますし、手数料が上がっても業者市場やインターネットオークションを利用しないという事はあり得ません

また人件費に関しても長く働いているスタッフを昇給なしで働かせるわけにもいきませんし、物価上昇率を超える昇給はするようにしています

むしろそうしていかないとこれからの人手不足の日本では、会社を維持していく事は出来ないと思います

この業界は大手を除いて個人もしくは家族経営でやっている所が多いので、その辺りは疎い所も多いのですがそういった所をなあなあにしていくと、大手にどんどん押し出されて行ってしまいます

そして古物・骨董業界のインフレに関しては年々品物の相場が上がっている感じはなく(もちろん一部のジャンルで相場が大きく上がっている物はあります)、中国は円安の恩恵はあると思いますがそれ以上に中国国内の景気の減速が顕著になっているようで、中国美術も相場も品物によってはここ2~3年で半分くらいになったものもあります

また中国美術以外の品物を片っ端から買って本国に輸出していた業者なども、同じく景気の低迷やエネルギーの高騰による輸出コストの増大で以前のような相場の高騰はありません

ただしそれでも日本人の業者よりは勢いはあり、まだまだ業者市場では大きな割合を占めています

そういった勢力があまり触手を伸ばさない、日本画や茶道具・日本の掛軸・着物などの相場はなかなか厳しい事になっています

ですので買取の現場でも買った時の金額と、今の相場の差が大きすぎてお客様に納得していただくのが難しい場合が結構あります(もちろんネットの情報なども必要なら見せながら、丁寧に説明する事は心がけますが)

逆に浮世絵・新版画・人気の現代アートなど世界需要のあるものの相場は高騰していて、お客様にも金額の提示はしやすかったりします

なのでトータルで考えると、円安・インフレがこの業界に与える影響は少しのマイナスかなと思います

ただし団塊の世代の荷物整理は続いていて、あと数年は続きそうな感じはしています

彼らの世代の品物は全般的に質が良く、今でもしっかりと売れるのでその辺りの品物をしっかりと買取れるようしていくのが生き残っていくうえで大事になってくると思っています

そこで大手に負けないように、というより独自の集客をして品物を集められるようにし続けなければなりません

どんなに資金があっても目利きであっても、品物がなければ始まりません

ですので基本はそこなのですが、それ以外にもこの時代を乗り越えるためには

①これから伸びていくジャンルに力を入れてしっかりと変えるようにすること

特に海外需要や40~50代のマニア・コレクター層が好むものを、しっかりとアップデートしながら買取に関してもアプローチしていく事が大事です

②リピーター紹介を増やす 

今までももちろん大事にしていますが、大手のような広告宣伝などが出来ない以上1件1件の仕事を丁寧に対応して、しっかりと買取金額を払う事が次につながります(安く買い叩かれたと思う人は絶対にリピートしたり、他人を紹介したりしません)

やはり信頼も含めて口コミが一番なのはどの業界も同じです

③インバウンド対策を練っていく 円安他国のインフレ自体の流れは変えられない

海外からくる観光客・買い付けにくるバイヤー・インターネット代行業者など、日本にいながらも日本人以上に評価してくれる人に

販売できるようになればかなり有利になります

残念ながら日本が今後、世界の中で覇権を取っていく事はかなり厳しいと思うのでそこはこれからずっと意識していかなければなりません

骨董業界の先を考えた時に、この問題(円安・インフレ)だけではないですが、常に危機感を持って頭をフル回転していかなければ生き残るのはどんどん難しくなって来ると思います

 

 

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