飲食店やスーパーなど食品を扱う仕事の場合、すべて完売というわけにはいきません
スープ売り切れ次第閉店の人気ラーメン店のような所を除いては、当たり前ですが食品は腐ってしまうのでどうしてもロスが生まれてしまいます
そうなると例えば売値1000円で原価が30%だったとしても、半分しか売れなくて半分腐らせてしまったら原価は倍になってしまいます
なので日々仕入れに頭を悩ませています
知り合いの花屋さんもなるべくロスは少なく、でも売り切れも少なくするギリギリの仕入れに神経を使っていて、そのセンスが花屋を経営していく上で大事な事の一つと言っていました
確かにロスを怖がって極端に仕入れを減らすと売り切れが多くなり、機会損失してしまったり一つのメニューを楽しみにしてきた人を失望させてしまいます
また売上などは曜日や天気、季節などにも左右されるので、難しい舵取りを常にする事になります
それに比べると古物業界が扱っている品物は腐りません
もちろん季節的なもので価格が変わるものや(アンティークストーブなど)比較的新しいカメラやオーディオなどは時間が経つほど価値が下がる事はありますし、金やプラチナは日々価格は上下しています
しかし品物自体は壊したりしない限りいつまでも在庫できます
なので仕入れやロスについて飲食店のような苦労は少ないかもしれません
これはビジネス的には確かに有利かもしれませんが、逆にそこが落とし穴になってしまうケースも少なくありません
ものが腐らないだけに売るのにそこまで焦る必要がありません、なので在庫として過剰に抱えたり仕入れにしてもそこまでシビアに考えなくても「安いから買っとくか」「売れそうだし」といった感じで業者市場で仕入れたりしてしまいます
結果仕入れた分が売れていけば問題ないですが、そう上手くは行くものではなく、在庫ばかり増えてキャッシュフローが悪くなったりします(現金が少ない)
また高めに仕入れてしまった時は損切りができないと、何年も売れ残ってしまったりします
そうすると在庫が多くて現金がなくなって仕入れが出来なくなって、品物が変わり映えしなくてますます売れないという悪循環になってしまいます
品物には本当に「気」があるので売れ残った品物は本当に売れません
これは経験のある方はわかると思いますが、一度二度とイベントに出展して売れなかったものは次に全く違う場所のイベントに出展しても不思議なもので(当然お客さんは全然別の人たち)新しく仕入れたものはよく売れて、売れ残ったものは全く売れなかったりします
だからお店でも骨董市でもいつ見ても代わり映えしない店というのは、他のお店と同じようなものを売っていても始めてきたお客さんばかりでもなぜかあまり人気はありません
なので古物の世界でも損切りが大事になります
場合によっては仕入れより安くなっても、インターネットオークションや業者市場で売ってしまうことも必要です
そうすれば利益率は下がるかもしれませんが、現金は入ってくるしスペースも空くのでまた仕入れが出来ます
そうやって品物とお金を循環させることも重要だと思います
それができなくで損をしたくなくて在庫を抱えて、さらに新しい品物も仕入れたいからどんどん在庫が増えていって、倉庫を増やしているような人もいます
そうすると固定経費も増えていくので、品物は大量に持っているけど常にお金が無いという状況になってしまいます
これも品物が腐らないからの弱みといえます
もちろんこのブログでも何度か書いていますが、当社もお客様から買い取らせていただいたものは、その品物が一番評価されるところで高く売れるように努力しています
当社の場合だと店舗販売・イベント販売・ネット販売・業者市場(複数)向けにしっかりと仕分けて売るようにしています
そうやって高く売ることで、次の買い取りでもしっかりと買うことが出来ます
その繰り返しですが、全てがうまくいくわけではやっぱりなく、お客様からしっかりと買いすぎた時などは諦めて買取額より安くても売ってしまって勉強だと思うようにしています
そうする事によって買い取りすぎて置く場所がないとか、現金が足りなくて買取が出来ないなどということがないようにしています
つまり古物の世界も品物が腐らない事に甘えていないで、「お金」「品物」「気」の流れを読みながらシビアに行動していかなければなりません