働かなくていい位稼いだ人のモチベーション(骨董業界)

基本的に人は生活する(お金を稼ぐために)ために働きますし、そもそも国民の三大義務の一つにも勤労の義務が明記されています
また倫理観からしてもみんな当たり前に働いていますし、昔から「働かざる者食うべからず」とも言われています
ちなみに先進国の中で、勤労の義務と権利が定められているのは日本以外は中国と韓国のみらしいです
ただし義務といっても国が国民に強制するものではないので、働かなくても生活に支障がなければ働かなくてもいいですし、実際にFIREといって資産を築いて早期リタイヤする方もいます
ですので働くのが嫌で嫌で仕方なく、ストレスも半端ない方にとってはそういう選択も有りだと思います
そして骨董業界を見ていると、もう働かなくても生活には困らない人達が沢山います
働かなくても充分という金額は人それぞれで、40代と70代では大きく違いますし、都会に住むか田舎に住むか、子供がいるか独身なのか、そもそもどういう生活レベルかにもよります
5000万円あれば大丈夫の人もいれば、5億円あっても足りない人もいます
それが前提ですが、それでも明らかに酷い浪費(過度な贅沢・ギャンブルなど)をしなければ、一生安泰という人達の働くモチベーションとは何なのか?という事です
少なくともほとんどの人の働く意味の「生活のため」「お金のため」という部分がなくなります
もちろんお金持ちの人はいくらあってもまだまだ欲しいという人もいますが、切羽詰まって背に腹は代えられくてという事はありません
そうするとそれ以外のモチベーションがないと続きません(もちろんFIREする人もいますが)
そういう人達を見ていると、いくつかのパターンがあるように感じます
まず一つは純粋に骨董品が好き・仕事が好きというタイプで、色々な骨董品に見たり触れたりしたくて儲かるとか儲からないとかは超越している様な人達です
今まで勉強したり人に聞いたり、売ったり買ったりして、儲かったり損したりしながら蓄積した知識をベースに、答え合わせをする様な感覚なのでしょう
本当に天職で成功までしたので、羨ましい事この上ないです
またこういう人はもうお金はそこまでいらないので、気に入った名品は手元に残す人も多いです(名品は値が下がらないという事もあります)
そうしているうちに気がつけば立派なコレクションが出来上がったりします
実績もあってリスペクトもされているので、周りに人も集まってきて居心地も良くなるのでしょう
次のパターンが業界市場などで、自分が休んだり辞めたりしたらライバルが得をするのが許せないというタイプです
こういうタイプは結構います
確かに業者間も戦いの連続で、競りで儲かったり損したりしますし、金額も上のクラスになると1回の競りで数百万以上になったりもします
そうなると人間関係も険悪になる場合もありますので仕方がありませんし、こういう妬み嫉みはポジティブではありませんが、人間として根源的は理由ですので簡単に否定する事は出来ません
またこういう様な、競りでの喧嘩が相場の上昇や業界の活性化にも繋がるのも間違いありません
たしかに嫉妬や妬みもエネルギーになる部分もあります
3つ目は家業が骨董屋、つまり代々骨董の世界に生きている人達です
極端な話、本当に上のクラスになると生まれた時から働かなくていい様な人達もゴロゴロしています
そして外の世界を知らずに高校卒業後、大学卒業後にいきなり一線で働き始めて、20歳そこそこで競りで月に数百万円数千万円使ったりします
最初はそんなにうまくいく事はないと思いますが、先代が目利きだと知識の吸収も早いですし、いきなり業界のトップに参加できます
もちろん全員が全員成功出来るわけではないでしょうけど、可能性はゼロから始めるよりは可能性は高いと思います
こういう人達はそもそも辞めるという選択肢もないでしょう
基本的には違いますが、一部歌舞伎の世界に近い所もあると思います
私の様にまるで関係のない家庭に生まれて、違う業界で働いていた人間からすると羨ましいと思う反面、なりたいかというとそれは違ったりします
私はまだまだFIRE出来るほどではありませんし、働くモチベーションの一つがお金ではありますが、仕事自体は好きですし仮に金銭的に働かなくても良くなっても、体に無理が効かなくならなければ続けて行きたいと思います