メルカリで売れないものを買取る買取業者

１０年少々前の２０１３年に始まったメルカリですが、今や知らない人はいないほどの成長を遂げています

１９９９年に始まったヤフオクがオークション形式のサイトである事に比べて、フリマアプリの名の通り定額出品でスマホで写真なども見やすく分かりやすい事が支持されて急拡大しました

実際に私の家族も子供向けのものなどはメルカリで買ってますし、知り合いでも多くの人が利用しています

ヤフオクがマニア向けの骨董市の様なイメージに対して（業者がマニアに売るといった感じ）メルカリは一般の方が一般の方に売るイメージ（まさにフリマの様なイメージ）がハードルを下げている様です

実際に昔はヤフオクだけで出品していて、最近メルカリに変えた業者に話を聞くと客層もいいみたいでしっかりとした値段でもちゃんと売れると言っていました

そしてこの様に成長しているメルカリですが、その事は我々の業界にも確実に大きな影響を与えています

数字としても２０１０年に１兆円１０００億程だったリサイクル市場が、２０２５年には３兆２０００億まで拡大して、さらに２０３０年までには４兆円程と予測されています

こうしてみると日本の中では数少ない成長産業ともいえます

そしてその中においてヤフオクやメルカリなどの個人間取引が２０１６年には３０００億円程だったのが２０２５年には１兆円を超えましたし、２０３０年には全体の半数以上になると言われています

つまりリサイクル業界の拡大のほとんどが、ネットによる個人間取引という事になります

つまり業者が関与している部分に関してはほとんど増えていなくて、その中で大手の進出など過当競争になっていますので生き残りは大変です

また実際に買取の現場でもメルカリの影響がどんどん大きくなっています

茶道具の買取に呼ばれてお伺いさせていただいた時に、あまり古いものではありませんが、状態のいい品物が並んでいたのですが棚や風炉、杓、風炉先屏風などはありましたが、茶碗や棗・茶杓などはなくその事を伺うと「その辺はメルカリで全部売ったので」というお話が出たり（サイズの大きいものは配送もあり出品が難しい様です）

別のお客様で、持込で贈答品や稽古用の茶碗類を買取させていただきましたが、家の整理中という事だったので話を聞いてみると洋酒やカメラなどはメルカリで売って、そこであんまり値のつかなそうな茶碗類を持ち込んでいただいたという事でした

確かに高く売れるものはありませんでしたが、状態も綺麗で量もあったので査定したら「自分で売るのとほとんど変わらなかったから良かったです」と喜んでいただきました

そしてこれは同業者からもよく聞く言葉ですが、「これはメルカリで〇〇〇〇円で売れてるんだけど、お宅ならいくらで買う？」と言われる事も増えました

正直その値段を超えて買取する事は難しいので「それでしたらご自身で売ったほうがいいですよ」と伝える事が多いです

また買取の査定していると、端の方に撮影スペースがあったりする事もよくあります

そういった方達はサイズが小さくて単価が高く分かりやすいものは自分で売って、家具などの大物や単価の低い物・よく分からないものは業者に売るというスタンスの様です

こういう状況は本当にここ１〜２年で急速に増えて来ましたし、これからはもっと増えてくると思います

これは世の中の流れですし、止まることはないでしょう

しかし正直に言うと業者の立場からすると、なかなか厳しい状況になっていきます

そもそもどんどん必要度が下がっていく事になります

そんな中でも買取業者として生き残っていくには、いくつかの策はあると思います

まずはサイズなどで撮影や配送など考えても一般の方が自分で売るのが難しい、家具などを扱えるようにしておく事や、メルカリなどであまり高く売れないものを売れるルートを確保しておく（海外など）家の売却に伴う整理などの時に売れるものだけでなく、リサイクルが難しいもののご自身での処分の方法をアドバイスするなどのサービスも必要になります

厳しい時代ですが頑張っていきたいと思います

そして最後に伝えたいのはアンティークや骨董品に関しては安易に自分で値付けして売るより、先に買取業者に査定してもらった方がいい事も多いです

例えば掛け軸なんてどうせ今売れないからと、まとめて写真も適当に安く出品して売ってしまったけど、価値のあるものが多数あって業者に売った方が桁が２つ位違う場合もありますし、古いおもちゃを復刻の値段で出品したりしているのも見たことがあります

オークション形式だとまだ値段が上がっていく事もありますが、メルカリだと基本的に即決なのでその値段になってしまいます

得しているつもりが、大きく損をしている場合もありますので一度問い合わせてもいいかもしれません