供給が需要を上回り始めた買取業者の生き残り方

リユース市場規模は伸び続けています
2010年頃は全体で1兆1500億円程だったのが2025年には3兆円を超えるまでになり、30年には4兆円に拡大すると予測されています
年7%位の成長率で急拡大していると言っていいと思います
まさに需要が拡大していると言えますが、内容を見てみるとこれを押し上げているのはフリマアプリ(主にメルカリ)で、2016年に3000億円規模だったものが、今では1兆円を優に超えていてC TO C(業者を通さず一般の方が売る)が需要拡大のほとんどを担っていると言えます
それだけフリマアプリが身近なものになったと言う事だと思います
つまり一般の方が年々売れるような環境にはなっていますが、業者の取引・売上はそこまで上がっていないという事ですし、ここ数年の売上の上昇は金(ゴールド)の相場上昇が寄与している事でしょう
そんな状況の中ここ数年は大手企業(上場企業を含む)がリユース事業に積極的に進出する様になりました
そうして昔では考えられないテレビCMをバンバン流したり、駅前に複数店の買取店が乱立したりしています
また個人レベルでも新規の業者は増えている様で、ネットで見ていても初めて知る業者も多いです
実際にお客様と買取の際に話していても「業者の数が多すぎて、どこを呼んでいいのか分からなかった」という声を本当によく聞きます
当社自身が買取業者にも関わらず「確かに多いよなぁ」と思います
そしてここ最近肌で感じているのは、需要(お客様・仕事)よりも供給(買取業者)が上回り始めていると言う事です
私がこの業界に入るかなり前はまだまだ買取業者は少なく、さらにネットも普及する前はとりあえずタウンページに掲載して、チラシまいていれば仕事はどんどん来たし当時は業界も景気が良かったので、美術品もリサイクル品も飛ぶように売れていたらしいです
もちろん全ての業者が成功したわけではないでしょうが、おそらく今に比べたら大分楽だったと思います
お客様も当然自分で売る術もないですし、相場など調べる事も出来ない時代でした
まさに業者にとっては天国の様だったでしょうが、間違いなくもうそういう時代は来る事はないでしょう
そんな過当競争の中で生き残っていくのは、どういう業者なのかと考えてみました
1つ目はやはり大手企業になるでしょう
そもそも資金力が桁違いですし、店舗数や広告量なども右肩上がりです
それに伴う信用度も個人商店とはまるで違います
特に上場している場合は投資家から集めた資金を運転資金にして経営しているので、自己資金で経営している中小規模の業者とは比較にもなりません
そういう企業が増えてきていて大手同士の競争も激しくなり、リユース戦争と言ってもいい状況です
2つ目はかなり専門性の高い業者になるかと思います
例えば中国美術・李朝・古陶磁・現代アートなどで、需要自体は少なくても一件一件の単価は高く年に数回〜十数回の買取でも充分成り立つ様なやり方です
そうなるにはまず他社に絶対に負けない査定力と資金力が必要ですし、さらにお客様に納得してもらう様な様な誂え(あつらえ)も大事になります
店主の経歴や店舗の歴史・立地なども重要なポイントだと思います
3つ目は一人もしくは家族経営でとにかく経費を少なくして、店舗の売上やネット売上・骨董市などいくつかの販路を持って、ベースの部分は確保しながら地道に買取も行っていくやり方です
店舗などを長く構えていると常連さんや、引っ越しの際に依頼があったりして派手さはなくても堅実な経営が出来ると思います
多くの経費をかけてリスクを負うより、波が少なく知識と人当たりが良ければ長く続けていけるでしょう
逆に中途半端に経費をかけて人件費や広告費を使って営業している所は、これから厳しくなっていくでしょう
昔は通用していても大手の力にねじ伏せられる可能性が高いです
なのでどれだけ独自性が出せるかが鍵になります
当社の場合は1つ目はそもそも無れないですし、なるつもりもありません
また2つ目の様に特化するつもりもなく(信頼の出来る外注を含めて知識などは対応出来るようにはしていますが)幅広い要望に応えたいと思っています
そして3つ目の様に今から自分一人でやるつもりもありません
しっかりと頑張ってくれているスタッフもいますし、家具の買取や大量な買取など1人では対応出来ない仕事もこなしていきたいと思っています
なので当社が生き残っていくには、常に時代の流れを読みながら頭をフル回転させて差別化をしつつ、他社もあまり積極的にやらないけど、お客様が困っている所(需要)をしっかりと救い上げる事が大事になります
家具の買取・処分の相談・急な日程・大量な買取などこれらに対応出来るようにスタッフ・車・店舗・販路を整えていきます