やっぱりちゃんと買わないと次はない

買取業界は例えば飲食業界と違って、常連という考えがあまりなく、昔は特に一回一回でしっかりと利益を取ろうとしがちな所がありました
しかし今の時代はそれでは続かないですし、逆にコンスタントな利益を失ってしまいます
その辺りは最近、実際の買取現場ですごく感じます
実例で言うと買取にお伺いさせていただいた際に、お客様から最初にスマホの画面を差し出されてそれを見ると、ライカのmシリーズが写ってました
「これはいくら位になりますか?」と聞かれたので「正直状態見ないと最終的な金額は出せませんけど、少なくともボディだけで◯◯万円にはなりますし、レンズも別にあればそれはそれで査定しますよ」と伝えるとお客様はがっかりしたように「やっぱりそうなんだ、実は一ヶ月位前に別の業者呼んだらレンズもあったんだけど全部で◯万円だったの」
他の業者の査定に関しては何とも言えないですが、さすがに安いです
そのお客様はカメラは親族の遺品で、カメラの相場などは知らなかったのですが、知らないにしても安いんじゃないかと思って、そのカメラは断りづらくて売ったみたいですが、それ以外の品物は見せずに帰ってもらったみたいです
そして残りの品物は別の業者に見てもらおうという事で呼ばれたのが当社でした
結果的にスマホの画面での査定で信用していただいたみたいで、それ以外の品物も全て見せていただいて買取させていただきました(ちなみにそのカメラの査定額はべらぼうに高い訳ではなく、売れる相場からして適正な金額だったと思います)
そしてそれ以外の品物は祖父の遺品の勲章や指揮刀、掛軸、花瓶など中々の名品が多くて、ライカは残念でしたがトータルでいうと当社の方がいい買取になりました
また別の現場の話ですが、買取にお伺いして鉄道模型のHOゲージが10台ほどあって全て箱付き状態も良くて、メーカーも売りやすい
これはたとえ利益率が低くなってもしっかりとした値段をつけなければと、一点一点しっかりと確認してかなり悩んだうえで値段をつけて、合計で約20万円をつけるとお客様はため息をつきました
もっと高い買取価格を思っていたのかと思いましたが、流石にこれ以上は難しいと伝えると「ネットで探した大手業者(ブランドメイン)に連絡すると、専門の業者紹介しますよと言われて来た人がほとんど見ずに大きい紙袋2つに詰めてって、これは今売れないんで全部で3万円ですね」と言って買取して「他にもまだ看板とかジオラマとかあるんですけどと言うと、今日はこれしか持って帰れないのでまた電話ください」と帰っていったとの事です
おそらくお客様が女性の高齢者一人だったために、そういう対応でも大丈夫だと思ったのかもしれません
しかし流石に対応が酷いと思って、当社に連絡をいただきました
お客様によると値段ももちろんだけど一点一点ちゃんと見てくれたのが信用に繋がった様で、結局鉄道模型だけでなく鉄道サボ、硬券、鉄道写真などマニアが欲しがる大量な品物を買い取らせていただきました
またこういった業者の後ではなく、最初に当社がお伺いしたお客様であっても、しっかりとした適正な価格で買取して、丁寧な対応ができていればその後のリピートや紹介につながる事も結構あります
遺品整理でお客様が品物の価値がまるで分からず、話していると優先するのは買取価格よりも捨てるのが嫌だだったり、なるべく沢山持っていって欲しいという買取現場もありますが、そこで変に甘えて安く買取価格を出してしまうとその場では買取出来たとしても、次はまずありません
例えばそのお客様がその後整理していてさらに品物がでてきても、どうせ二束三文だと思ったら呼ばずに捨てるか別の業者を呼びます
そしてこの様に後から出てきた方が良いものであるのは買取業界ではあるあるです
こうやって書いていると当社がどの業者よりも高価買取している様な感じがしますが、そういう事ではなく(品物によっては当社よりも高く評価する業者ももちろんあると思います)やはり品物には相場がありあまりにも安い買取価格では続かないと言う事です
例えばネットで調べても最低15万円で売れるものだったとして買取価格は業者によって多少の違いはあると思いますが、普通はそこまで大きな差はないはずです
それを数千円というような価格では、この競合も多くてネットやアプリで調べれば、ある程度の値段がわかる時代には基本的に通用しませんし、長くは続きません
「人の振り見て我が振り直せ」
長くコンスタントに続けていくには肝に銘じていかなければなりません