
「金は天下の回りもの」
江戸時代からある諺で、特に商人の間で使われていたようです
自分が何かを買って使ったお金は誰かの儲けになり、その誰かがお金を使う事によってまた誰かの儲けになり、それが回り回って自分の儲けになるという事から派生して、お金を適切に使えばまた入ってくるという考えを表しています
確かにこの仕事をしていて思うのが、集客や設備のための投資や従業員の待遇改善をしたり、お客様から買い取りする時にしっかりとした値段で買ったりしていると、仕事が途切れずに入ってくる気がします
もちろん過剰になってはいけませんが、大手業者の拡大など年々厳しくなっている業界においては必要な事だと思っています
こういった流れに対応せずに、昔からのやり方に固執して(新たな設備投資や広告に予算を使わない)縮小していく業者が増えているのは、この業界だけではないと思いますが間違いありません
こうして見ると確かに世の中はお金が留まらず循環していくものだし、だからこそお金持ち(成功者)もいつか失うかもしれないし、今ない人にもいつか手に入るかもしれません
それはこの業界でもたくさん見てきました
まずは今ない人が成功して手に入れていくパターンですが、一つ目はとにかく目利きになってそれを活かして大きな利益を出し続けるという、ある意味王道のやり方です
こうなるには当たり前ですが徹底的に勉強をして、その上で業界市場で同業者と競り合い儲けたり損したりしながら経験を積んでいきます
もちろんどんなに目利きであっても100%成功する事はあり得ませんので、それに動じないハートの強さも大事だと思います
特に伸びていく人を見ていると儲かった時ではなく、損をした後の動きで大きな差を感じます(数十万〜数百万円単位はしょっちゅう)
普通の感覚だと一回で年収クラスの損を出したりすると、落ち込んだりビビってしまって慎重になるものですが、この業界で伸びていく人はそんな事はまるで無かったのように攻め続けます
ある意味ネジが一本外れている様な感じです
でも損をする回数が多ければ多いほど知識にもなりますし、高いものを買う・たくさん買う人は業界でも重宝されて色々な情報も入ります
もちろんそういう人には売りたいという業者も多くなり、名品も数多く扱えるようになります
次のパターンは個人の力だけでなく、組織の力も使いながら成功するやり方です(経営者タイプ)
個人としてはそこまで目利きではなくても、利益を出せるシステムを試行錯誤しながら作っていきます
例えば一般のお客様の要望などをしっかりと応えられるようにして、そういう人を集客し規模を適度に拡大して、売り方にも気を使い、出た利益を再投資して他社よりも成長速度を早めてシェアを広げて行きます
これをやるには常に動きながら、考えて早め早めに軌道修正しなければならず、他にも税金・キャッシュフロー・コスト管理を徹底しなければ生き残っていけません
このやり方で成功できる人は、きっと他のジャンルでも成功出来るでしょう
他にも投資家や銀行等からお金を集めて、フランチャイズ化して売上・規模を急拡大して企業売却(バイアウト)や上場まで行く人も流石に極稀ですけどいます(ブランド・貴金属メインが多いです)
後は業者市場を作って品物をたくさん集めて、市場売り上げを伸ばして利益を出すやり方もあります
そして全ての人達に共通するのはとにかく努力量が半端なく、それに運と結果がついてくるように感じます
逆でお金を持っていたのに出ていってしまう人のパターンですが、見栄とか欲で失敗する事が多いような気がします
ある程度長く業界にいて、顔が知られてくると(特に市場でよく買う人と思われたり、このジャンルは誰々さんだよねと言われたりすると)無理して買ったりして赤字が嵩んでいったり、買取業者でも「最近荷物集められなくなったね」と思われたくないのか品物を集めるために過剰に広告を打ったり、高く買いすぎたりして気がついたらいなくなったりします
また業者市場で成功した人や買取で成功した人を見て、必要以上の嫉妬にかられてお金を使いすぎて持たなくなる人も見てきました
こういうタイプの人達は気持ちのコントロールが出来ない事もありますが、基本の所で目利きではなかったり、するべき努力をしてなかったり他にも原因がある気がします
それ以外の理由としてはお金が入っていた時に、仕事以外で散財してしまうパターンです
ギャンブルやキャバクラ、高級車、時計等などなど
使う額以上に稼ぎ続ければいいのでしょうけど、そう簡単にはいきません
普通にしていれば充分食べれていて、周りから見たら順調で成功しているように見えていても、そういう使い方が染み付いてしまうと、手元のキャッシュが少なくていくつかの失敗が続くと一気に立ち行かなくなってしまいます
こうしてみるとどの業界もそうかも知れませんが栄枯必衰で、胡座なんかかいてはいられません
結局成功するには無駄なお金はあまり使わず、必要なお金はしっかり使って、真面目にコツコツ積み上げていけば、いい循環が続いていくという事だと思います