日本はここ数年、30年以上続いたデフレを脱却してインフレに転換されようとしています
物価高と賃金上昇が今後も続けば、その傾向は確かなものになっていきます
デフレ脱却は政府が望んでいた事なのでいい傾向なのかもしれませんが、実際は実質賃金は下がり続けていますし円安と海外のインフレに伴う原材料・エネルギーの高騰で景気に関わらず物価高は続きそうなので、全体的に苦しい人が増えている気がします
私は政治にも経済にもそこまで明るくないので今後どうなるかはわかりませんが、少なくとも最近は株高、不動産バブルがよくニュースになりますし、円安・物価高と合わせてますます円(現金)の価値が下がってきています
為替だけ見ても2年前まで1ドル120円位だったのが、今では150円と2割ほど下落しています
仮に銀行に1000万円貯金していて残高が変わらなかったとしたら(今の金利では利息はほぼゼロ)ドルに対しては単純な話200万円減っているようなものですし、日本円自体の価値にしても仮に今後10年ここ最近のインフレ率(3.5%)が続くと、通帳の上では変わらなくても300万円実質目減りする事になります
まぁ、まずいです
それを上回り続けるくらい賃金が上昇していけばいいのですが、それもなかなか難しいと思います
そういった危機感がある中で政府も国を挙げて投資を勧める政策を打ち出し、特に新NISAの影響が大きく投資を始める人も増えてきました
私自身も個人のお金に関しては2年ほど前からNISAとⅠDecoだけは少しづつ始めていますが、その程度でも最近の株高の影響で20%程の含み益になっていますし、見ていると株だけではなく不動産や金(gold)も同じ位上昇しています
これを見ていると、どんどんお金の価値が下がっている事を実感します
もちろん投資にはリスクがありますし、あくまで自己責任ですがインフレ時代に何も手を打たないのは一番のリスクかもしれません(リスクをなるべく避けて取り返せる時間の少ない高齢者は除く)
そうした時代もあるのが大前提だと思いますが、最近同業者と話していても株や投資の話がよく出るようになりました
その理由は先に書いたように世間一般の人達と同じようにインフレなどに対する危機感や、株価の上昇に乗り遅れまいとする気持ちもあると思いますが、それに加えてこの仕事(業界)の将来に対する危機感が多分にある気がします
とにかくこの業界で働いている40-50代から最近特に「不安だ」「食べていけなくなるかも」という声をよく聞くようになりました
一人一人状況は違うと思いますが、以前より業界が厳しくなっているのは間違いありません
理由も様々な事が考えられますが、特に感じるのが競合過多と中国バブルの崩壊です
競合は年々激しくなっており、業者市場でも中国人同士も激しく競っていますし状況が厳しくなってきているのか、今まで参加していた市場だけでなく、参加していなかった市場に新しく参加する人も増えています
買取業者に関しても新規業者も増えていますし、それ以上に大手が予算を拡大してシェアを奪っていきます
そういった厳しい状況の中、去年位から明らかに中国美術の相場が下がってきています
有名絵師の掛け軸などもピークの半分とか、それ以下だったりします
「前だったら1000万してたけど、今じゃあ500万も厳しいね」
という今までの日本の骨董品のような台詞が聞こえるようになりました
つまり一つの仕事を取るためのコストは増えているにもかかわらず、品物の相場が下がっているという状況です
以前のブログにも書きましたが、この業界が長く骨董業界のいい時代を過ごしてきてもう働かなくてもいい位稼いで、さらに年金までもらえる年齢の方はいいですが、まだ40代あたりでまだまだ稼がなければならない人たち(私もですが)はそれは不安になります
なので同業者が投資に力を入れるのはある意味当然だと思いますし、やるやらないは別にして考える事は必要だと思います
当社に関してはありがたい事に買取件数などもそれほど変わらず、売り上げも堅調ですが環境が悪くなっている事は肌で感じています
それでも生き残っていくためにまだまだ打てる手はあると思っていますし、実際今年に入ってもいくつか新しい手は打っています
今後10年20年と続けていくために日々変化していくつもりです
ただしそれとは別に個人では投資も続けていくので、またその事についても書いていきたいと思います