骨董(買取)業界とキャッシュレスについて

2024-01-19

  • 買取業界の事情

当社のような骨董(買取)業界というのは色々な部分で旧態依然とした所があり、その最たるものの一つがキャッシュレスに対応できていない所かもしれません

キャッシュレス後進国と言われている日本においてもここ数年は、キャッシュレス化が進んでおり経済産業省の発表によると2023年度で32.5%ほどで2025年までには40%ほどまでに引き上げたいようです

それでも2018年の約20%と比べると伸びており、今後はさらに伸びていく事は間違いないです

個人的な感想だともう少し割合は高いと思ってました、普段仕事以外では支払いの多くは電子マネーを使ってますしアマゾンなどネットショッピングはもちろんカード払いにしています

ただ東京蚤の市などのイベント出展の際も実際6割位はキャッシュレス決済ですが、周りの店舗を見ていると3割位は現金のみの支払いだったりしますし、商店街にある個人商店などは対応していない所も多いのでトータルで見たらそんなものかもしれません

ただしアンケートなどによるとキャッシュレス派が70%ほどらしいので、店舗などの導入が進めばますます割合は高くなると思います

日本の現状を見たうえで他国を見てみると、韓国は90%以上中国も80%以上がキャッシュレス化されておりさらに北欧では教会の寄付から屋台に至るまでキャッシュレス対応しておりスウェーデンなどは「現金が消えた国」とまで呼ばれるようになっています

実際に個人の支払いに使われる現金は1%ほどらしいです

ここまで進んでいるとおそらく当社のような骨董(アンティーク)業界も取引は、当然キャッシュレスで行われているでしょう

そして日本は何故そこまで現金が無くならないかと言うと、原因としては①他国と比べて偽札の流通がほぼなくて現金が信用されている②加盟店手数料が高くてクレジットが普及しづらい③ATMが多く不便を感じない④カードは借金という意識が根強い⑤現金の匿名性が重宝されているなどが挙げられますが、最近の政治家の裏金問題を見ていると最後の理由が政策を決めている人達に都合がいいために急激に進まないのかなと思ったりします

ただしこれから少子化が加速度的に進む中で、現金決済は対応する人員が必要で人手不足の解消の妨げになったり現金流通を維持するのにかかるコストが年間3兆円(現金の製造・銀行/ATMの維持費・人件費・盗難などの被害額)かかったり、脱税や犯罪の温床になったりとデメリットは多いです

ただしキャッシュレス決済80%ほどまで引き上げると、試算では1.4兆円ほど維持費はかかるらしいので3兆円そのまま無くなるわけではありませんが、コスト削減になる事は間違いありません

そんな中表題の話になりますが、我々の骨董業界はかなりの割合で現金決済になっています

もちろんメルカリやヤフオクなどネットオークションで骨董品などを売る場合はほぼ100%キャッシュレスですし、先ほども書いたように大半はキャッシュレス対応しているアンティークショップの店頭販売やイベント販売などは半分以上はキャッシュレスですが、それ以外の業者市場は最上位の美術倶楽部を除いては(動くお金が大きいため支払いが2か月後)基本的に払う側も受け取る側も当日現金決済ですし、当社のような買取業者もお客様に支払う時は個人のお客様の場合は100%現金払いになります(法人の場合は振り込みの場合もあります)

これに関しては買取業務を本格的に始めてから一度も、現金の支払い自体に不満を言われた事はありません

これはやはり現金の信頼度が高いのと、当社のような買取業者はリピーターもいますが多くは初めての取引になるのでやはり買取当日に全額現金で払う方がお互いに安心できます

また業者市場でも今後も手数料の問題もあるのでカード決済の導入は難しいでしょうし、年配の方や外国人も多いのでQR決済などに対応するのも簡単ではありません

つまり時代の流れに取り残されてキャッシュレス化が進むのは、まだだいぶ先の話になりそうです

買取に関しても受け取るお客様からの要望も今のところないので、まだまだ先になる気がします

なので骨董業界の人間はもちろん商売の規模などなどによって個人差はありますが、他業種の人達に比べて現金を取り扱う量はかなり多いと思います

しかし今後国の政策などや世の中の動きによっては、急に変わるかもしれません

そしてもし変わるのであれば、当社はなるべく早く対応できるようにしていこうと思います

 

 

 

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