起業で失敗しないために 古物業界の場合

2023-03-10

  • 買取業界の事情

中小企業庁が帝国データバンクの調査を元に公表した、起業した会社の生存率ですが5年後で81%、 10年後で30%、 20年後で55%、 30年後で47%という統計が出ています。

古物業界だけの統計はないので他の業界と比べてどうかはわかりませんが、同じ位と想定すると5年で2割近くが10年で3割が失敗していると言えます

逆にいえば7割は10年は持つということで、実際当社も店舗を構えてからは12年、個人で動いている期間を合わせると16年は無事に経過しています

また20年以上過ぎると一人社長の場合は、年齢的にやめてしまう場合もあるかと思います

当社が店舗を構えたときに、同時期にこの業界で起業した同業は半分以上は継続しているし、1~2割くらいはメインの業務を古物から別のものに移している感じですので、確かにこれぐらいの割合のような気がします

そして今回は私が見聞きした中で残念ながら成功した側ではなく、そうではない側のある程度共通した法則のようなものを書いてみようかと思います

よく起業には確実に成功する方法はないけれど、確実に失敗する方法はあるといいます

それはこの業界にも当てはまる部分はあるかと思いますが、まず第一に最初から経費を掛けすぎるという事です

いきなり立地のいいところで店舗を構える、人を雇う、内装にお金を掛ける、新車で車を買う、広告費を使うなどなど、余程のお金持ちならまだしも結構ギリギリのお金しかないのにスタートからこういう事をしてしまっては難しいです

ちなみに私もスタートは自宅と中古の軽トラック一台で、もちろん一人でスタートしました

またいきなりスタートからではなくても、数年やってそこそこ利益が出た段階で、周りのもっと成功している人を見て追いついてやろう追い越してやろうと思って身の丈に合わない拡大をしてしまう人もいます

人を多く雇う・店舗を増やす・車を増やす・莫大な広告費を使う

もちろんそれで急成長して成功する可能性もあるので一概に駄目ということはないのですが、確率的には失敗する率は上がります

特に足元や自分のキャパを見ずに周りばかり見ている人は、この失敗に陥りやすいです

投資は企業には必要ですが、タイミングと金額を間違えると大変なことになりかねません

特に最初の方はできる限り固定経費を抑えて、売上が低くても持つようにしなければなりません

また今書いたみたいに過剰な投資ならまだ成功する可能性はありますが、個人的な楽しみに大金を使ってしまうのは論外だと思います

飲む打つ買うから高級時計、高級車など調子よくお金が入ってくるとそういうものに使ってしまう人も結構います

これは余ったお金でやる分にはいいかもしれませんが、これ自体は仕事の成功には繋がりません

次にこれもどの業界にも共通することですが、起業したにも関わらず真面目に働かないという事です

特にこの業界は真面目にやればチャンスは転がっているし、少なくても食べては行けると思うのにその最低限の努力もしない人がいます

たしかに会社員と違って自由だしそれが水にあうのもわかりますが、業界市場も来たり来なかったり、当たり前のように遅刻したり、疲れたら早めに帰ったり二日酔いで休んだり、一般社会では全く通用しない働き方をしている人が結構います

ある意味そういうゆるい人たちでも、目利きだったり運が良かったりすればやっていける業界と言えるのですが、やはり徐々にフェードアウトしていく人もある程度います

逆に買取業者も業者市場で仕入れる骨董屋、ネット販売業者も真面目に頑張っている人たちは、規模はまちまちですが大体成功しています

あとこれも当たり前の話ですが不正をしないという事です

正直買取価格の高い安いや、小売の価格の値段などは古物である以上どうしても業者によって差は出てしまいますし、完全な相場などないのでそこで悪徳業者扱いや不正だと言うのは厳しいと思いますが、例えば押し買いや一度ニュースにもなりましたが貴金属を盗んだりしたら一発アウトです

また業者市場でも手癖の悪い人はたまにいるもので、毎回参加していた人が突然来なくなったので周りに聞いたら盗みを働いていたり、競りで興奮したのか暴力を振るったり、こういう人たちは出入り禁止になってこの業界では生きていけなくなります

そして最後は適切な投資をしないと言う事だと思います

節約して無駄な経費を使わないのは大事なことですが、業者も増えている中で集客のための適切な投資やお客様の要望に応えるための設備投資などは行っていかないと、これからは特に生き残ってはいけません

代わりの業者なんかいくらでもいる、という事を常に頭に入れていなければいけません

昔のやり方のままでただ店を開けている、たまにチラシを撒く位では、ネットで様々な情報がお客様でも簡単に手に入り、大手が大量に予算と人員を投入している状況ではどんどん厳しくなっていきます

日々情報を仕入れながら適切なコストを払って集客をして、その上でお客様の様々な要望になるべく応えられるようにスタッフ・車・倉庫なども準備しなければなりません

これから古物業界で起業しようかと思う人が失敗しないには、結論から言うとコスト管理をしっかりして、真面目に努力して、悪い事をせず、適切な投資をすればとりあえず失敗はしないと思います

責任は持てませんけど

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