アリとキリギリスの話 骨董業界の場合

2023-12-27

  • 買取業界の事情

日本人は元来仕事をする上で勤勉であることを、美徳とする考えを持っています

それは人からの信頼を得たり、大きな仕事を任されたりするのに必要なもので、実際に私が他業種で営業の仕事をしていた時にはトータルで見ていてやはり勤勉な人がうまくいっていました

もちろんそれ以外にもセンスや運なども大きな要因だと思いますが、ベースとして真面目な人間の方が信頼されますし、長い目で見たら有利なのは間違いありません

もちろん不真面目な人も嘘つきも、怠惰な人も沢山いましたがそういう人はある程度のところで成長が止まる人がほとんどだったような気がします(経営者はこれには当てはまらない場合もありますが…)

それに比べて骨董業界は勤勉ではない人の割合が多く、そういう人がちゃんと儲かるチャンスのある業界だと思います

特に単価の高い品物を扱う目利きの人は、そこまであくせくしなくても食べていけるので市場を休んだり、遅れたり、早く帰ったり普通にします(それも家庭の事情とか体調不良とかではなく、面倒臭かったり遊びだったり二日酔いとか)

アリとキリギリスであれば完全にキリギリスタイプで、肩の力も抜けてまぁ傍から見ていると楽しそうです

もちろんそうなれるにも条件もあって、目利きであることは前提条件として他にも資金力がある(元々の金持ちではなく自分で稼いできた)・運を持っている(これは本当に感じます)・メンタルが強い(100万くらい損しても何とも思わない)など、まぁ凡人の私からしたら天才だと思います

でもこのサボっている部分や遊んでるところばかり見て、自分は何も持たないのに同じ様な行動をとって、少し稼いだお金で同業者と遊んでばかりいてお金が回らなくなり消えていく人もいました

逆にアリタイプの人ですが、こちらもセンスなどは必要ですが真面目に複数の業者市場に通って、他に人より早く市場に着いて品物を下調べしてなるべく頑張って買って売っていけば1~2人位の少人数だったら十分食べていけますし、年収で1000万円を軽く超えている人とかも結構いると思います

それ位チャンスはありますし、今はヤフオクやメルカリなど売りやすいチャネルも充実していますし品物や相場を調べるツールも揃っているのでそこまで難しくはないかもしれません

買取業者についても少なくても小規模でしたら、真面目にネット対策をして広告も出来る範囲で予算を使って、丁寧に接客して適正な査定が出来れば十分やっていけると思います(これが出来ない業者は厳しくなってきています)

そういう意味ではこの業界も最近はアリタイプの人が勢力を増している気がしますし、中国人バイヤーも真面目なタイプが生き残っている感じがします

それでも私は完全なアリタイプなのでキリギリスタイプの天才に憧れますし、そういう人達が輝けるのがこの業界の面白い所だと思っています

まぁ私は逆立ちしてもキリギリスにはなれないので、着実にやっていくしかないのですが、それでもここ1~2年で骨董業界・買取業界も大きく変わってきているので今までのやり方が通用しなくなっています

それは来年以降はもっと進んでいくと思っています

具体的には中国バブルがはじけ始めているのがさらに悪化しそうですし、大手買取業者が資金力と知名度を使ってますますシェアを拡大していくでしょう、あとは年々メルカリなど個人間取引が広がっていって我々にとっては厳しい状況になってきています

つまりここ数年のやり方をしていくと確実に売り上げや利益は下がると思います

かといって今までと全く違うやり方をするわけにもいかないので、今までやってきたこと+αのαの部分を頭と予算を使って伸ばしていかなければなりません

特に来年以降は買取のターゲットになりそうな人たちへのアピール強化だけでなく、買取した品物の売り方も模索していくつもりです(それが買取価格を高くできる事につながると思っています)

こう書いていてもやはり、自由に肩の力を抜いてよく遊びながら儲けるキリギリスにはなれないなぁと思います

なのでこれからも自分なりのやり方で生き残っていきます

 

 

 

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