「着物高価買取」と謳った広告をよく目にします
需要が少なくなった着物を本当に高価買取してもらえるのでしょうか？
答えはほとんどの場合は難しいと言わざるおえません
これはお客様にご説明しても大体ご納得いただけるのですが、まず着物の需要は年々減少しています
特に若い方たちは成人式や結婚式などの晴れの日以外では着ることはない人がほとんどですし、晴れの日もレンタルで済ませるのが主流になっています
もちろん今でもデパートなどで誂えるとかなり高いお値段になりますが、中古になると欲しい人より整理したい人のほうが圧倒的に多い状況なので、よほど状態のいい作家物などでない限り供給過多で業者間の取引額もかなり低いものになっています
また、状態のいい作家物ですら枚数も多く購入時の金額が2000万円を超えたものでも着物専門業者オークションにそのまま出品しても落札額は10分の1に満たないのが現実です
そんな状況なのになぜ「着物高価買取」などと謳って高い予算をかけて広告を打つのでしょうか？
それは着物が目当てではないことは明白です。目当ては皆さんもお分かりだと思いますが、ブランド品・貴金属になります
特に貴金属は近年、金の暴騰により高い利益が見込めるためこれを狙っている業者は着物買取を切り口に問い合わせをさせて、訪問し着物にはほとんど目もくれず「ほかにバックとかアクセサリーとかありませんか？」「ぼくらも出張してきた以上何かないと会社に戻れません」などと言って居座る、驚きますが今の時代でもそういうようなことをする業者は存在するようです
そういった業者の後に呼ばれて、お客様から後悔の言葉を聞いたことも一度や二度ではありません
おそらく着物をたくさんお持ちの家は比較的裕福な家が多くて、ブランド品や貴金属をお持ちの方も多いためターゲットとして絞り込みやすいからだと思います
日々買取業務でいろいろなお宅を回って思うのは、ある程度以上の資産をお持ちの方でも骨董品・美術品をお持ちの方は少数ですが（余裕があってもそういう趣味がなければお持ちではないため）ブランド品・貴金属はほぼ確実にお持ちだという事。骨董品をメインとしている当社からするとターゲットから離れてしまうのですがブランド品・貴金属をメインとしている業者からするとまさにメインターゲットになります
今は法的にもNGですが、まだ訪問買取が行われていた時に貴金属の訪問買取をしていた業者に聞いた話だと一日一軒一軒回ってほとんどが無視か門前払いでたまに「警察呼びますよ」などと言われるものの一日中回っていると、何軒かは家に上げてくれて貴金属を売ってくれる人もいて、「それで年収3000万円は稼げてたよ」と言ってました
個人的にはいくら稼げてもあまりやりたくないし、そもそも訪問買取に耐えられる精神力もありません
なのでこれからも古いもの全般に地道に買取作業を続けていくことと、あとは最初のお電話でも「貴金属とかありませんけど、大丈夫ですか？」とか「ブランド品とか出してとか言われたりしないですよね」などと警戒する人がいますのでお約束しますが当社は貴金属やブランド品目当てで出張買取をする事はありません
もちろんお客様から買取してほしいという要望があれば、しっかりとした相場の価格で買取させていただきますが、こちらから要求することはいたしません
なのでそういった心配はありませんので、ご安心してお問い合わせください
