古物業界から見る富裕層のタイプ

2021-04-15

  • 買取日記

日本では長らく格差が広がり続けています

一部のお金持ちはますます豊かに、そうでない者はますます貧しくなっています

1億総中流と言われた時代は、はるか昔の話になりコロナがそれに拍車をかけた感があります

高度経済成長からバブルまでは2割の富裕層と6割の中流階級、2割の貧困層といわれていましたが、今や2割の富裕層と8割の貧困層とまでいわれています

当社の買取先のお客様は中高年の方か、もしくはその方達が持っていた遺品をご家族の方より整理を頼まれる事がほとんどです

都内で美術品を持たれている方ですからいわゆる富裕層の方たちも多く、ものすごい豪邸に呼ばれることも少なくありません

我々が見てきた富裕層の方たちのタイプとしては、何代も前からの豊かな家系に属するいわゆる名家とか旧家とかいわれる方たちと、バブル景気のときに会社経営や投資などで巨大な富を築いた方達に分かれます

他にも比較的最近に若くて起業などで成功した方達もいると思いますが、そういった方たちはあまり古美術を好まずどちらかというと現代アートを好む傾向にあるような気がします

なので残念ながらあまりそういった方たちと仕事をする機会がありません、実はこれは非常に問題なのですが別の機会にちゃんと書きたいと思います

先程お話した名家や旧家と言われる方達の品物は、明治以前や戦前のものが多く「家宝なので売れないけど見ます?」と言われて見たもので美術館が欲しがりそうなものや何でも鑑定団は余裕で出られそうなものも中にはありました

こういった希少なものは今でも高く評価できるものが多く、しっかりと評価できてお客様にも納得していただける事が多いです

またなかなか見る事ができない品物も多く、この仕事をいていて一番ドキドキして達成感を感じる時かもしれません

もちろんしっかりと評価するためには日々相場を含めて勉強をする事と各分野で信頼のできる外注スタッフを確保する事が大事になります

それに対してバブルの時に成功した方達が当時、画廊や百貨店などで買い求めていた品物は、作家物などが多くその場合、数十万・数百万で買われたものが今ではインターネットで10分の1以下で売られていることがざらで、現状の相場をしっかりと説明してもなかなかご納得いただけない場合もあり苦労することもあります

確かに五百万円で買った日本画の真作が今、十五万で売られていると言われたら何十年前とはいえお買い求めになった本人でしたらショックで納得いかないのも仕方がないことだと思います

そういう時は当社としても無理に買取するより「今すぐ手放さなくて、もう少しお持ちになったたらいかがですか?」と提案したりします

そうして半年後に「気持ちの整理もついたから、やっぱりお願いします」と連絡があった事もあります

この様に相場が大きく下がったものに関しては、ネットの情報を隠さずにそのまま見せて伝えたり、しっかりと説明することが大事です

そうすれば買取自体は成立しなくて、信用を失うことは避けられます

 

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