骨董業界というのは持ってる・持ってない、当たった当たらないという風に運のようなものを重視する傾向があります
「あの人は持ってるよね~」とか「また当たったみたいだよ」といった形で羨望のまなざしで見られることが多いです
コツコツと真面目にやっている人よりもむしろ普段適当にやっているのに、年に数回大きな当たりを出すような人の方が評価されるような風潮がありました
もちろん本当に努力せず適当にやっていてそんな事が出来るわけではなく、目利き力・資金力・度胸が揃っていないとできません
しかしそれだけでなく多分に運も影響していると思います
実際に私が今まで見てきた所だと、運を持っている人が業者市場を休むと名品がなぜか出なかったり
来たときはライバルも少なくて安めに買えたりという事が、何故かよくあります
買取業者にしても仕事量はそれほど多くなくても、一回一回の売り上げが大きい人もいます
そういう人の話を聞くと「そんな運のいい事はほとんどないなあ」と思うような買取を頻繁に行っています
しかしそういう風潮が色濃かったこの業界も、ここ数年の大手参入によって大きく変わりました
元々ブランド品・貴金属で大きくなり(上場企業を含む)ちゃんと組織化された企業が進出してきた事で、個人商店が中心だった買取業者が運とか努力とか勢いとかを武器に戦っていた所に(もちろん全てがそうだったわけではありませんが)年間広告費・売り上げ目標・前年比・費用対比効果etc、一般企業では当たり前の経営戦略を持ち個人レベルとは比べ物にならない予算と人員を使って参入してきたので、正面切って戦っていたのでは相手になりません
そして業界のシェアの多くの部分を取られてしまった以上、今までのような仕事量(少なくともたまに当たるから何とかなる)といったやり方が本当に通用しなくなってきていますし、今後ますます厳しくなっていくでしょう
当たり前と言えば当たり前ですし、健全と言えば健全な時代になったとも言えます
そういう状況の中で当社の経営方針に関していうと、基本的に今までと変わりなく行っていきます
それは危機感を感じていないわけではなく、元々大当たりを期待しないでずっと経営しているからです
なぜなら代表の私自身が「持っていない」という事を自覚しているという事もあります
なのでそもそも大当たりが出るのを想定して動いてはいません、むしろ大当たりはないものと考えた上でいろいろと試行錯誤しています
そして何年か試行錯誤していると、試した広告媒体や予算からどの位のレスポンスがあるかデータを蓄積した上でこの件数の仕事をこなせればこれくらいの売り上げになるなどが見えてきます
そしてそれに合わせてスタッフの人員・車・店舗・倉庫などを少しづつ拡充していって、なるべく来た仕事をスムーズに受けられるような体制を作れるように努力しています
そしてそういったハード面(広告や設備)だけでなくスタッフの知識や経験、接客力などのソフト面向上させていく事によって、リピーターや紹介なども増えていけば間違いなく好循環していきます
そしてもう一つ大事なのは、仕事に必要な経費以外の無駄なお金を極力使わないという事です
大きく当てて儲けたきた人たちを見ていると、結構派手な生活をしている場合が多いです
高級車・高級時計そして飲み食いなどに使ってしまっています
それでもまた大きな当たりを引けば良いかもしれませんが、今後は競合も増えてきていますしなかなか難しいと思います
なのでハード面とソフト面を少しづつ成長させながら、無駄使いをしないようにしています
その甲斐あってかお陰様で堅調に営業させていただいております
それでもやっぱり宝くじのような大当たりも経験してみたいです。。