買取価格よりお客様が大事にしている事がある場合

2024-08-02

  • 買取業界の事情

買取価格というのは当たり前ですが、お客様からしたら高い方がいいのは間違いありません

それは自分がお客様の立場になったらわかる事ですが、場合によっては買取価格よりも大事なものがある時もあります

そういう時はそれをなるべく察知したり、ヒアリングしたりしてその希望に叶えられるように努力します(もちろん全てに対応できるわけではありませんが)

今回は日々買取の現場で見てきた買取価格よりも優先順位が高かった事を書きたいと思います

①思い入れがある・高く買っているなど

これは半分は高価買取になるのかもしれないのですが、拝見させていただいた品物の中で特にお客様が評価している物がある場合はそれをなるべく高めに評価するようにしますし、他の物以上に丁寧に扱いどうしても買取が難しい時も理由をしっかりと説明して納得してもらうようにしています

買取を始めたころはその辺の所がよくわかっていなくて、ある意味機械的に1点1点値段をつけていたような気がします

それではお客様の満足度も下がってしまい、金額の問題ではなく買取自体が成立しない事にもなってしまいます

実際に当社が買取にお伺いしたお客様のお話ですが、当社の前に訪問した業者が最初に着物を見た時に「今着物は売れないんですよ」と言ってほとんど見ないで、さらに雑に扱われたためそれ以外のものも見せずに帰ってもらったという事もありました

お客様の気持ちとしては母が大事にしていた高かった着物だったため、いくら売れないとしてもそんな扱いでは売りたくなくなります

またお客様自身が高く買っている場合も、同じような状況になる事があります

特にバブル期にデパートなどで高額に買った品物などは、その金額を払った思いがあるので査定・説明も慎重にしなければなりません

こういった場合はたいていお客様の希望額に買取査定額が届く事はほとんどないのですが、それでも当時の評価と現状の相場の違いとその理由などを丁寧に説明する事が大事です

その上で希望額と離れている時は無理して売っていただかない様にして、それ以外の買取につながるようにします

②自分達で対応できない

実家の遺品整理などで大量の品物が遺されていて、どこから手を付けていいかすらわからない場合などは買取価格よりも品物の整理の仕方のアドバイスが必要な場合もあります

「どういったものが売れるのかもわからない」「そもそも売れるものがあるかわからない」「普段住んでいる所も遠くて、ほとんど自分たちでは対応できない」「買取できないものの処分もどうすればいいのか?」そういった状況のお客様もよくお問い合わせいただきます

そういった場合はとにかく、まずお客様の希望をしっかりお伺いしてから進めるようにしています

まだ自分たちで必要なものはあるのか・買取れるものだけ査定すればいいのか・処分も考えているのか・処分は自分たちでやろうとしているのか・いつまでに整理を終わらせたいのかなど聞いてからでないと2度手間になったりしてしまいます

そしてなるべく希望に沿うように、交通整理をしてあげるのも大切な仕事です

③時間がない

いろいろな事情によって残された期日が少ない場合もあります

極端な例ですとその日の午後に連絡がきて「明日には解体するんだけど、古いものがあるから買取できるものがあれば買取ってほしい」という事もあります

もちろんそのまま捨てられるよりはお問い合わせいただけることの方がうれしいですし、そういった件は何とかしようと全力を尽くします

その為にスタッフも車も倉庫も常に余裕は持てるようにしていますし(経費はそれなりにかかりますが)うちが対応できなければ他社に話が行ってしまいます

それでも他社が対応できればまだいいですが、それも難しければそのまま廃棄されてしまいます

ひょっとして価値のあるものかもしれないと思うと、寝付きもも悪くなってしまいます

そこまでタイトではなくても「あと1週間以内に」といったお話はよくいただきます

それに対応するために当社も体制を常に整えています

④なるべく捨てたくない

リサイクルの観点からも確かに捨てるよりは再利用できる方いいですし、そもそも捨てるとお金がかかる時代です

さらにお客様が捨てる事に抵抗の強い人の場合は、一部を高く買ってもらうより買取価格はこだわらないからなるべく多く引き取って欲しいという要望になります

特に両親が自分が長く大事に使っていたといった、思い入れがあるとさらにその傾向が強まります

もちろん引き取っても当社が捨てるしかないものに関しては、お断りするしかないのですが出来る範囲で応えられるように努力はします

例えばスタッフ・車・倉庫も用意して、売り先も国内だけでなく海外輸出の業者とも付き合い、なるべく捨てなくてもいい方法を模索しています

⑤丁寧な対応

意外と多いのがこの要望で電話やメールの対応が良くなかったり、買取先での受け答えなどが納得いかなくて売りたくないという方は確実にいらっしゃいます

この業界は個人レベルの規模でやっている所も多く、電話対応や接客態度に難のある人が一定数いるのは事実ですし、特に品物があまり評価できない場合に雑な対応をする業者の話はよく聞きます

買取業者は接客業の部分も大きいので、ここは本当に気を付けなければなりません

丁寧で常識的な対応をしなければなりませんし、それが出来ていない業者がいる以上ちゃんとしていればそれだけでアドバンテージになります

この辺はコストゼロでできるので、スタッフにも極力気を付けるように伝えています

経験上この部分がしっかりしていれば、基本的にお客様からのクレームのようなものは起きません

なので長く続けていくには一番大事な部分かもしれません

⑥わかっている人に買ってもらいたい

業者の数が増えてきて、特にフランチャイズ系の大手企業などは仕方がない部分もありますが、入社間もない新人を派遣する事も多いです

そういう場合はお客様の方が知識が豊富だったり、質問をしてもほとんど応えられなかったりすると不安になって売りたくなくなってしまうものです

また遺品整理などの場合で、本人は価値や相場がわからない場合でもしっかりとした品物に対する説明がないと「この人本当にわかってるのかなぁ」「もっと貴重で高い物なんじゃないのかな」と思ってしまいます

例えば実際は目利きで査定額もしっかりとしたものでも、ほとんど説明なく金額だけ伝えるだけではご納得いただけなくて買取が成立しない事にもなってしまいます

なのでお客様の質問にもしっかりと答えて、説明もしっかりとすることによってお客様の不安を取り除くことが大事です

知識や相場を身に付けた上で丁寧に説明する、これを続ける事が大切だと思います

 

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