ここ数年の骨董(買取)業界の流れを見ていると、テレビCMを流すような大手業者が勢力を伸ばし、さらに金(GOLD)の価格上昇に伴って貴金属目当てのテレアポ業者も増えてきて(これは本当にお客様にとっても業者にとっても迷惑です)仕事を取るのが難しくなってきているにもかかわらず、中国バブルは弾け始めていて苦労して買取した品物が前よりも売れる価格が安くなってきています
つまりかなり厳しい状況です、特に小規模の業者にとっては
にも関わらずそこまでの危機感が業者同士でいると、感じない気がします
もちろん「最近仕事減ってるよ」とか「景気悪いよねぇ~」という声はよく聞きますが、どこか「それでも何とかなるでしょう」みたいな空気が流れています
その原因の一つが業者市場の中心が60-70代で、この人たちは業界のいい時代を過ごして充分稼いで、年齢的に子供も独立し、家も買い終わって、老後の資金もバッチリで年金までもらっていたりします
つまり金銭的には上がった人たちが大半なので「最近、買えないね〜」と言ってもそこまで危機感はないと思います
その空気が周りにも伝搬している所があり、どこかで何とかなるのじゃないか?と思うのかもしれません
これは本当に危険だと思います
例えば当社はスタッフもまだ40代で骨董バブルを経験せずにいるので、これから10年20年と頑張らなければなりません
でも同業者で同じような状況なのにも関わらず、上の世代の人たちと楽しく飲んで危機感を感じてなかったり、多少危機感は感じていてもなにか新しい手を打ったりはしていなかったりします
これは不味いです
上の人達はそれでも逃げ切れると思いますが、そうでない人たち(年代)でこの状況のまま変わらずにいたら、古くていいものが減り、日本人しか好まないもの(例えば茶道具・着物・日本画など)は値段が低調ですし、ここ15年くらい頼みの綱だった中国バブルも弾けたらそもそも厳しいのに、さらに大手企業に飲み込まれたら生き残る事さえ出来ません
これからの五年でかなり業者は淘汰されて行くような気がします
そしてこれは骨董業界に関わらず基本的に人は自分達が逃げ切れれば、下の世代の事とかこれからの業界のこととかあまり考えません
「昔は良かったなぁ」「これから人は本当に大変だよ」位にしか思ってないと思ってたほうがいいと思います
にも関わらずその空気(危機感のない)に流されてしまうと大変な事になってしまいます
この業界はここ最近の五年もそうですが、これからの五年がかなりの変革期になりそうだと個人的に予想していて、今までのやり方が通用しなくなっていきそうな気がします
かと言って大手のようなやり方(大量に広告宣伝をしたり、人員をどんどん増やしたり)は出来ないので、規模が小さいなりのやり方でやっていかなければなりません
実際に毎年色々な所を改善して来たことが功を奏して(無意味なこともありましたが)売上や買い取り件数は落ちずに堅調ですが、それを維持するためにはさらなる投資と改善が必要です
ポイントになるのはこの業者だったら大丈夫という信用と、お客様一人一人の希望をいかに叶えることができるかにかかっていると思います
それをできるようになるために頭と体をフル回転して今までやってきましたが、これからもそれを進化させるために全力で頑張って、業界のある意味のぬるま湯に浸らず危機感をもって頑張っていきたいです