骨董業界は本人の努力や実力ももちろん大事ですが、人や品物との出会いによって結果が大きく変わってしまう場合があります
1つの名品や1人のお客様との出会いで骨董屋や買取業者がゴールに到達したり、急成長のきっかけになったりという話は本当にあります
その逆で真面目に努力しているのに、なかなかチャンスをつかめない人も多いです
そしてその出会いを引き寄せるには運気が大事だと思っている人が多いのがこの業界です
特に上の世界に行けば行くほどその考えは強くなっている気がします
私は他業種からこの業界に入ったタイプなのでより強く感じますし、最初はピンと来なかったですが最近は「なるほどなぁ〜確かにそうかも」と思うようになりました
運気というとどこかスピリチュアルな感じがしますが(スピリチュアルを否定しているわけではありません)この仕事と言うのは結局何かを生み出しているわけではなく、過去に生まれた品物を人から人に繋げる事が仕事になります
なので結論から言うとどれだけ良い人と品物に出会えるかで、結果は決まると言っても過言ではありません(もちろん日々の努力と実力も大事ですが)
それ故にこの業界の人は、運気というものを非常に気にしています
例えば昔からのお金持ちの家で使われていた家具を売らずに自家用で使ったり、携帯の待受を名品にしたり、人の採用を姓名判断で決めたりと大なり小なりそういう傾向があります
実際にそうなるのがわかる位、品物には気が宿っていると思った事は多いです
同じ様な品物を業者市場やネットオークションで売った時も勿論そんなことは告知しないのですが、何故か旧家や富裕層の家や知識人、政治家、軍人の方たちから買い取らせていただいた品物は相場よりも高く売れて、さらに買った業者も骨董市やネット等ですぐ売れたという話も聞きます
業者市場で仕入れる場合もそうで、誰からも声が出ず「安いなぁ〜」と思って仕入れたものは本当に売れなくて、なんとなくピンときて高く買って「買いすぎたかなぁ〜」と思ったものは何故か、すぐに売れていきます
骨董市でも骨董店でも、いつ見ても品揃えがあまり変わらないお店はあまり売れていないし、どんどん売れなくなってしまいます
なので損をしてでも処分して、新しい品物に入れ替えないと駄目だと思います
これまで書いてきた事からも買取業者としてもこの運気というものを大事にしていかなければなりません
良質なお客様や品物に出会えるように日々努力する事は勿論ですが、逆に運気の下がるような仕事はしないようにしなければいけません
こう書くと仕事を選り好みするよう(楽して儲かる仕事だけしたいみたいな)に感じてしまうかもしれませんがそういう事ではなく、大きな家具だろうと大量の荷物でも、ゴミ屋敷でも当社が買取れる品物があれば全力を尽くしますが、問い合わせの段階で明らかに業者を下に見てきたり、高圧的だったりする人の仕事は受けないようにしています
昔はそういう時もとりあえず出張していましたが、そういう態度の人の所にいいものは本当にないですし、呼んだ本人は業者をゴミのように思っているので買取れるものが何もなくても「わざわざ来てもらったのにごめんね」という気は一切なく「なんだよ、つかえねーな」と言われたこともありました
こういう現場を続けていくとストレスが溜まって仕事が嫌いになってしまうので、電話やメールの対応があまりにもひどい場合は内容に関わらずお断りする事にしています
その代わりちゃんと丁寧にお問い合わせいただいた場合はなるべく出張査定させていただく事にしていますし、どうしても難しい場合でもお困りでしたら処分の方法などをお伝えするようにしています
その積み重ねがいいお客様と名品を呼んでくれると思っています