レッドオーシャンとはもうすでに出来上がった市場を表す言葉で、競争も激しく新規で参入する事が厳しい場合を指します
骨董業界も江戸時代から始まった歴史もある業界で、現在市場の中には過多ともいえるほどの業者がいます
また最近はブランド・貴金属業界からの大手参入もあり元々バブル以降、市場規模が縮小し続けている中で業者が増えているのですからどう考えてもレッドオーシャン化は避けられません
また私がこの業界で独立した15年ほど前から現在まで、いくつもの「オワコン」と呼ばれるジャンルも出てきました
独立し始めた時の中心は、店舗を持ち品物を売買している店師と言われる人や1回の催事で数百万とか売る人たちが中心で、ネットのみで売買する人たちを少し下に見ている感じもありました
しかしその後ヤフオクが急成長してきて「ネット屋」という店舗などを持たずに、業者市場で仕入れてネットで売る人たちが業界内で力をつけてきて、コストの低さや売れるまでのスピードの速さなどから「これからはこの業界もネットの時代だ、店持ったり催事で売るなんてそんな時代じゃないよ」という人たちが増えていきました
そしてそんなネット屋と呼ばれる人たちも、参入障壁が低い事もあり(極端な話、軽トラ1台とスマホと古物免許さえあれば始められます)業者市場にもどんどん増えてきて過当競争になった事と業者市場に売り物を持ってくる買取業者の世代交代もあって、ネットで売れるものは業者市場に出さないで自分で売るようになるから今から10年前には「ネット屋ももう終わりだな」という人が出てきました
買取業者についてもヤフオクだけでなくメルカリも浸透してきて「お客さん自身が品物を売れるようになったから、もう今までみたいに買い取るのが難しくなるよ」と悲観的になっていました
その後骨董業界には中国バブルが起きましたが、それに反比例するように日本の美術品の相場(茶道具・日本画など)は下がり続けて扱う単価は下がっているのに業者は増えていくという状況が続きました
その上で今の骨董業界の現状を見てみると死屍累々としてみんなが食べていくのに苦労しているかというと、そんな事は全くありません
もちろん時流に乗れず、努力を怠っている人達は厳しいと思いますがしっかりと努力している人達は利益を出し、急成長している所もあります
オワコン扱いされていたネット屋も、30代の若手で参入して数年でスタッフ10人くらいの規模まで成長した人もいますし、古家具や茶道具、古い紙物、楽器など特定のジャンルで目利きの人は安定しています
催事などもここ2年はコロナの影響で厳しいですが、その前は「東京蚤の市」など新しい形のイベントも増えて定着していました
そして買取業者についても伸びている所は伸びています
ちなみに当社も本格的に買取業務に主軸を置いて以来、ありがたい事にコロナ禍にもかかわらず今年が買取件数も売り上げも一番良かったです
なぜ当社が好調に推移できたかは別の記事で詳しく書くとして、要するに頭でっかちに業界全体の流れを見て「レッドオーシャン化して、チャンスがない」などと諦めずに正しいアプローチで努力すればこの業界にかかわらず、実はいくらでもチャンスは転がっているなと思います
今年はそれを実感した1年でした