日本の金融資産の60%以上は60代以上の方が所有していると言われます
もちろん50代以下と比べると所得を得ていた期間も長いですし、先代から引き継いだ資産もあるので当たり前といえば当たり前ですが、彼らが現役世代の頃の経済状況と今の現役世代の経済状況の違い、少子高齢化による社会保障費の増大、低金利などを考えると今とこれからの現役世代が彼らのように資産形成できるかというとかなり難しい事でしょう
そして当社のお客様(買取希望の方)の年齢層は大きく二つに分けれていて、60~70代の方々の荷物整理と両親などの遺品整理で相談をいただく40~50代の方々になります
このうち荷物整理で呼ばれて査定させていただく60~70代の方々のお持ちの品物の質と量に日々触れていると、こういった品物は我々の世代(40代)では持っている人はほとんどいないと思ってしまいます
もちろん60代以上の方達が持っている品物でも今の需要によっては、どうしても低く評価しなければならない場合もありますが貰った品物にしても買った品物にしてもデパートで買われたような定価の高い品物だったり、当時高かったであろう美術品などをお持ちだったりします
今と違って100均やニトリ、IKEA、ユニクロもなくネットもなかったため新品は、基本的に何でもある程度の値段はする時代でした
そしてこの年代の方々は今の人たちと違って、なかなか捨てる事が出来ずにとりあえず取って置くという方が多いです
特にある程度以上の富裕層の方たちは家のサイズも大きく、置く場所には困らないためどんどん量は多くなってきます
そういった質の高い品物も当社のような買取業者が買い取った後は、次の世代の人達が買うわけではなく過去のブログでも再三書いているように、多くのものが中国など海外の人達が買う流れになっています
つまり国外流出という事になりますが、この流れは止めることはできないでしょう
そしてこの流れを見ていると金融資産に関しては、まだ相続などの形で我々の世代などにもある程度は引き継がれるかもしれませんが、品物に関しては我々の世代にはほとんど引き継がれる事はないと思います
つまり金融資産以上に持っている品物の質と量は、今の高齢者とそれ以降では大きな差があるように感じます
実際に現場でそうした品物を見ながら60代以上の方たちと話をしていると、時代の後押しも大きかったと思いますがやはり今の時代より良くも悪くもパワフルで、物を買う事や贅沢をする事がイコール幸せではないと思いますが、そういう事ができる選択肢があった事はうらやましいと思います
この仕事をしていて思うのは、物を買う事もエネルギーがいるという事です
もちろん時代は変わりました。SDGsなどもあり大量生産大量消費の時代ではないですし、景気が仮に良くなってもバブルの頃のようにはならないでしょう
しかし日々買取の現場で触れている事を思うと、いい悪いは別としてエネルギーや熱量は確実に落ちてきている気はします