人は得することよりも、損をしたくない気持ちの方が大きい

2024-08-01

  • 深沢美術店のこと

これは心理学でも実証されていてプロスペクト理論と呼ばれるもので、何かを得た時の喜びより同様のものを失った時の悲しさを比べると失った悲しさの方が2.25倍大きいとされています

特にお金の事になると分かりやすくて、入ってくるお金よりも出ていくお金に関しての方が人はシビアになるものです

例えば実験でコインの表裏を当てるゲームで当たったら一万円が貰えて、外れたら何も貰えないという設定だとほとんどの人がやりますが、当たったら二万円貰えて外れたら一万円失うとなるとかなりの確率でやらなくなります

これは仮に表裏の出る確率がぴったり50%だった場合、10回やれば手元に残る金額は同じ(期待値は同じという事)なのに1回勝負で失敗すればお金が出ていく事に人は非常に不安不満を感じます

例えば当たった時が二万五千円になっても、最初の設定の時よりはやる人は少ないでしょう

この心理は買取の際のお客様を見ていても、当てはまる時があります

買取にお伺いして、1点1点査定して今の相場で適正だと思う値段で買取価格を伝えてあっさりと買取が成立したお客様が、その後家の売却に伴う処分の相談を当社にされる時があります

当社は処分回収自体はしていませんので提携している業者を紹介する事もあるのですが、後で聞くと処分に関しては数社相見積もりをして結局紹介した業者に決まったのですが、値引き交渉もかなり厳しかったと聞いたりする事もあります

つまり入ってくるお金に関してはそこまでシビアではなくても、出ていくお金に関してはかなりシビアになる方は結構多いです

これは普段の生活でも見られていて、セールやボイントを駆使して節約に励む人は多いですが、収入に関しては不満はあっても交渉や転職をする人は少なく諦めてしまっている人が多いような気がします

もちろん節約は大事で一万円の節約は一万円の収入と一緒ですので上手にすればするほどお金は手元に残りますが、もう少し入ってくるお金にもシビアになれば日本の賃金も全体的にもう少し上がるような気がします

話は片付けに戻りますが先ほどの方の様に業者にある程度任せる人もいますが、中には節約を考えてすべて自分たちでやろうとする人たちもいます

もちろんその方が処分費用は軽減されますし、ある程度はご自身で自治体を使って処分されることを当社もお勧めしています

ただし、あまりにお金を優先して根詰めてやってしまうと、ケガや熱中症(今年は特に注意が必要です)になってしまったり、やれどもやれども終わらずに鬱の様になってしまう人も沢山見てきました

また実家が遠方だった場合ガソリン代や高速代が思いのほかかかったり、毎週末夫婦二人で片付けを続けて半年頑張ったのに、片付けを始める前に取った見積もりより10万円しか安くならなかったという話も聞きました

もちろん10万円は大金ですが、費やした時間や労力を考えるとはっきり得だとは言えない気がします

なのでこれから実家の整理や遺品整理などを考えている方は、時間や健康なども天秤にかけて行動した方が良いかと思います

もちろんそうすると費用も多くなってしまうので、余計に処分の前に売れるものはしっかりと売る事が大事だと思います

またこのような出ていくお金にシビアになりすぎる傾向は、我々のような買取業者の中にも結構いて

このブログでも何度か書いていますが、ここ数年はこの業界も大手がどんどん勢力を伸ばしてきて圧倒的な広告料や、人海戦術でシェアを拡大してきています

そうなると必然的に現状維持していると仕事が減ってくる状況なのに、昔のやり方で集客に投資をしない業者が多いです

もちろん無駄なお金を使わない事は大事ですが、意外とそういう業者ほど時計買ったり車を買い替えたりして贅沢したりしています

それだとどんどん厳しくなっていく事は間違いありません

もちろん使ったお金に比例して仕事が入ってくるほど甘くはありませんが、しっかり考えてトライ&エラーを繰り返していかないと先細りしていってしまいます

なのでたとえ一時的にお金をどぶに捨ててしまう事になっても、それは失敗だったとしても無駄だとは思わず常に試行錯誤していこうと思います

その結果としてこの厳しい業界でも、なんとか成果が残せていると思っています

 

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