この仕事をしていてここ1~2年位で特に感じるのが、参加している古物市場で競られる荷物の量が増えているという事です
ある時から「最近荷物多いな~」と思っていましたが、それがずっと続くようになっていて、それには当たり前ですがちゃんと理由があるので今回はその辺の所を書いてみようと思います
まず1番の理由として考えられるのは、数年前から団塊の世代の方達の荷物整理が本格的に始まっている事があげられます
本人が亡くなってしまってご親族が遺品整理を行う場合もありますし、ホームに入居するための準備や生前整理のためという依頼が増えています
実際の取引量としても当社に関しては半数以上がこの世代の方達の品物になります
この世代の方達は今の人と違ってモノを捨てられない傾向があるのと、バブル時代を過ごしてきているので良い品物をお持ちの方が多く高価買取できる場合が多いです
そう考えると団塊の世代の荷物整理が終わってしまうと、買取という仕事自体が成り立たなくなってしまうのではないかという危機感はあります
それ以降の世代はモノを持たなくなっていますし(ミニマリスト・断捨離などが盛ん)不景気もあって高価なものは買わなくなっていますし、安いものでも品質が上がっていますので(ニトリ・ユニクロなど)それで充分という考え方が一般的になっています
ですので当社のような仕事は10年以内(ひょっとしたらもっと早いかもしれませんが)には大きな変化が起こるのは間違いないと思います
そういった事に関してはまた別の機会に書こうと思いますが、とにかくこの世代の品物が古物市場に出品されてよい値段で売買されています
本当にここ数年はこの業界は、そういった荷物に支えられているのは間違いありません
そして2つ目が中国や東南アジアの輸出業者が増えて、市場で売れる品目が幅広くなり(今の日本人が評価しないものも、海外では評価されることも多いです)業者が増えたことによって競りも盛んになり相場も上がりました
この背景には日本の長引くデフレ経済と諸外国の経済成長があるので、諸手を挙げて喜ぶべきことではないのですが短期的にみるとこの業界の支えになっていることは揺るぎない事実です
彼らがいなければ古物市場自体が成り立っていない可能性もあったと思います
そんな彼らの旺盛な購買意欲のお陰で、以前だったら買い取れなかった品物が買い取れるようになり売れる値段も前よりも市場で高くなったため、比例して買取価格が上がったため余計に買えるようになるという好循環が起きるようになっています
そして最後に買取業者が増えたことが大きいと思います
買取業者自体も増えましたが、特に大手が参入して今まで我々がアプローチできていなかった層にまで広告宣伝することにより買取案件が増えてきました
これは本当にいい事で、それまでは価値があるのに捨てられていた品物の一部が捨てられずに買い取られて再販される事になります
当社も買取業者の中では比較的後発になりますが、ネットやチラシをたまたま見て問い合わせいただいたお客様から「価値があるかどうかわからないけど…」とお問い合わせをいただき、捨てるつもりの品物を買い取れた事は数えきれない程あります
我々のような業者の一番と言っていい使命は、お客様に捨てさせないという事だと常々思っています
どうしても需要がなく買い取れないものももちろんありますが、この仕事をしていると本当にちゃんと価値のあるものまで沢山捨てられてしまった場面に遭遇したり、話に聞いたりします
こういった事は本当に悲しい事なので、当社ももっと頑張ってお客様にアプローチして捨てられるものを少しでも買い取れるようにして古物市場にもっと品物を増やしていきたいと思います