
骨董・リサイクルの仕事には基本的に、定年というものはありません
どこかの企業に勤めていれば別ですが、業者市場に通っている人達の多くは個人事業主か会社社長になります
つまり体力的・経済的に働けるのであれば、いつまでも働く事が出来ます
実際見ているとこの業界の中心は50代〜60代で、70代でもまだまだ現役、80代と思える人もちらほらいます
もちろん2代目3代目など2~30代の若手もいますが、どちらかと言うと少数派になります
私自身も40代後半で一般企業だったら、立派に中堅〜ベテランといった年なのに、まだ若手のような扱いをされます(貫禄がないせいもあると思いますが)
この仕事は古物免許を取れば医師免許と同じく、更新もなく極端な話死ぬまで働けます
なので定年してから始める人もいますし、本業がありながら副業で続けている人もいます
良くいえば働き方も稼ぎ方も、自由という事になります
扱うものや量にもよりますが、そこまで体力のいる仕事ではないですし、大きな家具や量をたくさん扱う場合はスタッフを雇ったり、息子などに仕事を手伝って貰えば何とかなります
また体力以上に知識・経験・人脈などの方が重要で、それは年を取っても衰えるものではありません
なので若い時にこの辺をしっかりと積み重ねていれば、ある意味安泰かもしれません
また当たり前ですが、雇われていないためにノルマがあるわけでもないですし、遅刻しても休んでも基本的に怒られるわけでもありません
もちろん商売として成り立たなければ、自然と淘汰されていきますが、儲かっていればまさに自由気ままに働けます
なので余裕のある人は仕事よりゴルフを優先したり、家族サービスを優先したりしています
特に業界歴が長く、日本のバブル期を過ごしてきた人達などで(60代後半〜)すでに経済的には働かなくてもいい位、稼いだ人達なんかは本当に余裕を感じます
見ていると半分は趣味みたいな人もいます
もちろん60−70代でも現役バリバリで、毎日のように業者市場で何百万といった仕入れをしたり、1日で数百万という売り上げを上げたり、大損をしたりしている人もいます
しかし総じて思うのは気楽に働いていそうな人も、一線で戦っている人も、この仕事をお金のために嫌々やっている人はほとんどいないという事です
私は20代の頃は違う業界のサラリーマン(営業)をしていましたから、その頃はノルマや会社の人間関係、取引先とのやり取りでかなりストレスを抱えていました
もちろん楽しい事や、やりがいもありましたし今でもその頃の人間関係は続いています
でも今と比べるとストレスは多かったですし、上司や同業者の人を見ていても、楽しそうに働いている人は少なかった感じがしていました
雇われているサラリーマンと個人事業主の違いもあると思いますが、比べるとこの仕事は合う合わない、向き不向きはあると思いますが合う人向いている人にとっては、ストレスが少ないのかと思います
もちろん簡単な仕事ではありませんし、失敗していなくなる人やかなり経済的に厳しい人もいますが、少なくとも長くこの業界で生き残ってきた人たちにとっては、居心地のいい場所に見えます
業者市場で定期的に顔をあわせて談笑して、今まで培った知識で仕入れをして、骨董市やお店や別の業者市場で売ってお金も稼いでいます
いまだに当社などよりも遥かに稼いでいる人もたくさんいて、見ていて羨ましい位です
そしてここが重要な所だと思うのですが、買取業者や業者市場においては、いわゆる老害化しづらいというのがあります
どれだけキャリアがあっても知識・資金がなければ買えませんし、買えても損してしまいます
逆にいえば若くて新人でも、実力があればすぐに中心になっていきます
実力的に劣る人はどんどん端に行くようになりますし、その辺は平等なので努力して積み上げている人はいくつになっても働けて稼げると思います
もちろん充分稼いでfireする様な人もいると思いますが、見ていると多くの人はせっかくの知識を活かすために仕事を続けています
お金や土地、株などは価値が下がったりなくなったり盗られたりする事もありますが、知識はなくなりません
これは強いです
なので私もしっかりと知識・経験を積み上げて、資金的にも今よりも余裕があるようにして、長く続けていけたらと思っています
そんなに簡単なことではありませんが