日本の遺産を食いつぶしている古物業界の未来(骨董市場編)

2021-08-05

  • 業者市場

僕が骨董市場に参加したのは今から15年ほど前の事でしたが、その頃は昔からの日本の骨董屋が多くの品物を競って落札していました

その頃でもすでに日本の美術品はバブルの頃と比べて「昔だったら○○万だったなあ」「安くなったなぁ~」という声がよく聞こえてきました

その頃の値段よりも多くの品物が大きく値下がりしていますので、多くの日本美術は日本の景気と連動するように30年間下がり続けているといえます

15年ほど前はいわゆるネット専門で売るネット屋もいましたがメインではなく、外国人は本当に一部しかいませんでした

その後2010年頃より中国経済の発展に比例するように、中国美術バブルが始まりました

それまでの骨董市場の中心であった、茶道具や日本画などの価格が下落し続けているのを尻目に中国美術の価格が数倍から数十倍に上がっていき、あっという間に市場の主役になりました

いち早くこの流れを察知して積極的に売買した日本人の骨董屋で、億万長者になった人は一人や二人ではありません

その後日本の市場にも中国美術を求めて多くの中国人バイヤーが参加するようになり、今や市場によっては参加する人の半数以上が中国人という所もあります

なぜなぜこれほど中国美術品が日本に眠っているかというと、一つは毛沢東の文化大革命で過去の文化遺産や美術品が破壊されていた時に日本に亡命した文化人から日本に渡ったのと、その後日本が経済大国になった時にまだ中国が経済的に貧しかったため安く買い漁った時の品物が数多く残っていたからです(バブルの時の日本はピカソから何から買い漁っていました)

その頃の遺産。言ってしまうと日本が大国だったころの遺産を買ってもらって日本の骨董市場は成り立っていると言っても過言ではありません

そして今出品される中国美術品はほとんどが中国人バイヤーが競り落とし、その多くが中国本土に里帰りしています

今後の経済状況を考えると今後それらが日本に戻ってくることは、まずあり得ません

そうなると日本に眠っているものがほとんど無くなってしまうと、当然中国人バイヤーはいなくなってしまいますしそうなると骨董市場は危機に瀕するかもしれません

今更日本の骨董品だけでは今の規模を維持することは難しいと思います、すべての市場がすぐにどうこうはないですが一部の市場はなくなったり吸収されたりする事になるでしょう

また最近は日本の工芸品(特に贈答品)や洋酒・カメラなども主に競り合っているのは日本人ではなく中国人です

彼らは大量に品物を集めてコンテナで中国に輸出して向こうで売っています

日本の物はいろいろな物の品質が良く過去のメイドインジャパンのブランドは今でも生きていて、日本以上に売れるみたいです

これに関しても過去の遺産で食べていると言えます

実際にリサイクルショップで売っている桐箱に入った花瓶などを買い集めて業者市場で売ったら何倍にもなったという話もよく聞き、一時田舎のリサイクルショップから贈答品がなくなったという事もありました

まさにトカゲが尻尾とたべて生きているような歪な状況だと思いますが、目の前の売り上げや商売を考えると仕方のない事かもしれません

これから先5年?10年?後の遺産がなくなった後の日本の骨董市場はかなり厳しい状況になるのは間違いないと思います

いま七十代とかだったら深く考えなくてもいいかもしれませんが、まだ40代の僕はその後の事も考えて早めに対策していかなければなりません

ぼんやりと考えはいくつかあるのですがそれはまた別の記事でちゃんと書こうと思います

ブログ一覧へ戻る