コメ農家の高齢化に比べて、骨董業界の高齢化

実は日本は世界でも5番目の農業大国になりますが、農業人口(専業)は2010年には240万人だったのが、2023年には116万人と半分以下にまで減っており、しかも6割が65歳以上で平均年齢が68.5歳で70代に突入するのも時間の問題と言えるでしょう(35歳以下は5%ほど)
ある意味定年のない仕事と言えますが、骨董屋に比べて明らかに体力仕事で続けていくのは辛いことは考えなくてもわかります
そしてこの超高齢化の原因はやはり後継者不足が大きく、実際に手伝う人もいない中、ほぼ一人で切り盛りしているため、あと10年もすればもっと深刻な状況になる事でしょう
後継者が少ない理由は仕事の大変さに比べて、なかなか売り上げを上げる事が難しい点と新規参入のハードルが高い点があるようです
親が農家であれば、すでに農地があり農機があり地域(他の農家など)との繋がりもありますし、さらにノウハウもあるのでそこまで大変ではないかもしれませんが(仕事自体はもちろん大変だと思います)それをゼロから始めようとすると非常にハードルが高く、資金だけで小規模であっても平均600万円程はかかるようですし、初年度の売り上げは平均300万円に満たないそうです(売り上げで年収ではありません)
つまり初めは頑張っても赤字の可能性が高く、資金と気持ちが続かなければ廃業する事になってしまいます
こうして見るとなかなか暗い未来が待っているようですし、その暗い未来は全ての人達に影響が出る事は間違いありません
何といっても食は人間の根幹にかかわるものです、そこが衰退してしまうと国の衰退に直結すると思います
それに比べると骨董業界の高齢化は、たとえ進行してもそこまで深刻ではないと思いますが、私が感じている現状を書くと確かに定年のない仕事で、そこまで体力がいらないため(もちろん働き方にもよります、当社の様に大型家具を扱ったりすると違いますが)70代でもバリバリ活躍している人も多いですし、中心は50−60代というふうに感じます
体力よりも知識・人脈・資金力が重要なので、どうしても長く経験している人間の方が有利なためそうなります
それでもこの時点で農業と比べるとまだ若手が多いですし、この業界は2代目3代目も多いので30−40代も少なくありません
つまり農業と比べると、そこまで深刻な高齢化は進んでいないように感じます
もちろん参加人数が増えているのは、中国人を中心とした外国人が勢力を伸ばしている事も大きな要因ですが、その中国人相手に大儲けしている日本人の目利きも沢山います
また農業に比べるとスタートにかかる投資も少なくてすみますし、本人の才覚と努力次第では人並み以上に稼ぐ事も十分可能な業界だと思います
もちろん全員が成功するわけではないですし、負債を抱えて廃業する人もいます
そこまでいかなくてもギリギリで生き残っている人も少なくありません
それでも20代にサラリーマンを経験した身からするとトータルで見てストレスは少なくて、しっかりと間違いのない努力をすれば食べていく事は今のところまだ出来ると思います
なので後継者や新規参入がまだ、ある程度続いていています
もちろん中国バブルの崩壊や、日本にある骨董品の枯渇・相場の下落・さらなる大手企業の進出などによって今後は個人レベルでは生き残っては行けないかもしれませんが、あとしばらくは大丈夫ではないような気がします
農業の様な国の根幹に係る産業と同列に比べるのはどうかと思いますが、やはりどの業界も担い手が居なくなると存続が危ぶまれます(もちろんそれ以上に買い手が居なくなると自然消滅していきますが)
そういう意味では、この業界は高齢化は進みながらも新陳代謝もあってまだまだ存続していくと思います
なので当社も引き続き改善をしながら、お客様の要望に応えられるように頑張っていきます