「もったいない」より「面倒くさい」が勝ってしまう時

2023-09-27

  • 深沢美術店のこと

日々買取でお客様の所にお伺いして買取をさせていただいた後に、何度も「もっと早く呼べば良かった」「ほとんど捨てちゃった、売れるなんて思っていなくて」「前に家を建て替えた時に大半は処分しちゃって、何個かだけ取っといた物なの」など言われてきました

その都度「もっと早く呼んでいただければ」と大きな落胆をする事になります(さすがに最近は慣れてきて、縁がなかったからしょうがないと切り替えるようにしていますが)

また傷口が広がるのも嫌なので、過去に捨てた品物に関しては深く聞かないようにしていますが、まれにふわっと聞いた段階で、もしあればお客様に車一台分くらいは買取でお支払い出来たかもしれないと思うような時もあります

それでもそういうお客様は少なくとも当社のような買取業者を呼んで頂いてますし、少しでも買取をさせていただいて感謝していますが、世の中にはそういった買取やリサイクルといった選択肢を持たずにどんどん捨ててしまう方も本当に多いです

もちろん品物の所有者がそれをどのようにするかは、自由ですし第三者には何も言う権利はありませんが個人的には本当に「もったいない」と思ってしまいます

よく我々のような業者の中で話に上がるのが、高級タワーマンションのゴミ捨て場でゴミ拾いが出来たら簡単にセレブ生活が送れるよという事です(もちろん言うまでもありませんが、もしやったら犯罪なので出来ません)

実際ブランド品や貴金属(これだけ金が高いとニュースになっても)が当たり前に捨てられているみたいです

正直ブランド品や貴金属は当社はあまり積極的に扱っていないので、その話を聞いてもそこまで思う事はありませんが、それが美術品や骨董品だったら、ものすごくもどかしくてモヤモヤしてしまうでしょう

そしてそのように品物を捨ててしまう方達は、まず捨てようとしているものが売れるもの(価値のあるもの)だとは思っていない場合や価値はわかっていても、自分もしくは親族が使っていたものを売ったり、リサイクルしたりするのがどうしても嫌という場合があります

こういった方達に対してはなかなかアプローチが難しくて(そもそもこのブログももちろん見ないでしょうし)そのまま捨てられてしまう可能性が高いです

そしてそれ以外の大多数の方達が、持っている品物を売ろうとしないでそのまま処分してしまう理由の一つが「面倒くさい」という事だと思います

買取業者を選ぶ、査定や買取に時間を割く、お金のやりとりをする、結局ほとんど売れないかも、他人を家に呼ぶ、売れても二束三文かも、断ってもしつこかったら、貴金属など要求されたら、などなど

たしかにこう書くと私でも「面倒くさい」と思ってしまいますし、多くの人は買取業者を呼んだ経験がないと思うのでなおさら億劫になるのでしょう

買取業者を選ぶ手間や、査定や買取に時間がかかる(もちろんケースバイケースですが)というのはこれはたしかに避けられない事ですが、それ以外の「結局ほとんど売れないかも」とか「売れても二束三文かも」とかは実際に品物によっては買取できるものがなかったり、どうしても評価が低くなってしまう場合はありますが、お客様によっては呼んでも売れなかったり安かったりするのはいいんだけど、わざわざ来てもらっても何もいいものがなかったら申し訳ないと思う方も結構います

それに関しては本当に気にしなくて大丈夫です

もちろん事前のお問い合わせの段階で、明らかに当社での買取が難しい時は出張査定をお断りする事になりますが、可能性があったり見てみないとわからない時にお伺いして、買取れる品物が何もないという事は当たり前のようにある事なので、全く問題ありません

また当社に関して言えば、貴金属を要求したり(査定を依頼されればもちろん査定いたします)しつこく売ってもらえるまで帰らなかったりは絶対にしません

未だに押し買いに近い事をやっている業者もいるみたいですが、それは絶対にやりません(見た目も貫禄なくやろうとしても出来ませんが)

また家に他人を呼びたくないというのはもちろん理解出来ますし、心理的なものなので強くアピールはしませんが、もし嫌な理由がさっき書いたような強引で高圧的な態度を取られたら嫌だ、という事でしたら心配はいりません

人間が物事を判断する時にこの「面倒くさい」というの事がかなり大きく影響するのは私自身も面倒くさがりな所があるのでわかるのですが、間違いありません

しかしこの仕事を長くやってきて心から思うのが、この「面倒くさい」という理由で捨ててしまう事がどれだけ「もったいない」かと言うことです

それは売っていたらいくらになってたという金銭的な価値もちろんですが、古物の売り買いをしているとこういうものを欲しがる人の顔が浮かびますし、品物によっては資料的な価値のあるものもあったりします

何度も書きますが、我々がどんなに頑張ってアピールしても捨ててしまう人は捨ててしまいますが、少なくともこのブログを見ている人は多少は買取に興味を持っていただいていると思うので、ぜひ面倒臭がらず問い合わせだけでもしてもらえればと思っています

 

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