買取価格はすべて需要で決まるのか?

2023-04-19

  • 買取業界の事情

お客様の買取希望の品物を査定させていただく時に、その金額の基準になるのは今現在の需要というのは間違いありません

その品物の出来の良し悪し、時代の古さなどより寂しい言い方になりますが今売れるかどうかが重要になってしまいます

そのため出来が良いとか、買ったときの値段がいくらかとか、人間国宝の作品だとかはほとんど関係ありません

例えば家具関しても10年くらい前に大塚家具で100万円で買った、木材にもこだわった重厚なヨーロッパ家具より10万円程で買った日本人デザイナーの家具の方が評価(買取価格)が高い場合などよくあります

つまり品物の評価というのは買ったときの値段ではなく、売るときの値段がその品物の評価という事になります

ですので今現在の需要がないもの、低いものはそれが高価なものであれ、出来が良かったとしても評価することは難しいです

特に生活習慣の変化による需要減は、当時に比べた時の評価の低さは悲しくなるほどです

家具に関するだけで座卓、桐箪笥、婚礼タンス、鏡台、茶箪笥などは、今の中高年の方が購入した時などは非常に高価なものでそれでも売れていたのですが、今は需要が少なくさらに売りたい方が多すぎてほとんど買取価格がつかない場合が多いです

「買ったときは本当に高かったのよ」「長く使ってきたけど、いいものだからまだまだ使えるのに」「今の安っぽいものに比べたら全然出来が違うのに」いままで買取の現場で何度聞いてきたかわかりませんし、その多くが正しい事に間違いありませんが評価することは難しいのが現実です

逆に今の需要が高いものは当然ですが、価値が上がりそれに連れて買取価格も値上がりしています

身近なものですと金の相場が上がっているために貴金属などは買取価格も上がっていますし、最近良くニュースになるポケモンカードなどは見方によっては紙にインクで印刷しているだけのものですが一枚数百万、数千万円の価格で取引されていたりしています

つまり古物の世界は全て、需要によって左右されるという事です

ですのでしっかりと正確な買取が出来るように、インターネットや業者市場などで相場(需要)を常にチェックするようにしています

そうしないと当社が損をしたり、逆にお客様に損をさせたり買取れるものを買い取らなかったりしてしまいます

そして実際の買取の現場でこの需要のギャップによって、お客様に驚かれる事も結構あります

例えばアンティークの家具や着物・リトグラフの山より、一本の洋酒や一本の万年筆の方が高いというような事は本当によくあります

思っていたよりも高く評価してもらえることはもちろんお客様からしても嬉しい事だと思いますが、それ以上に高く買っていたり思い入れがあったりしたものをあまり評価されない悲しさの方が大きかったりすると思います

ですので当社の場合、お客様が残念がっているときは無理に買い取りしようとはせずに「もう少しお手元に残しておいてもいいんじゃないですか」「どなたかお知り合いの方に差し上げたりしたら、喜ばれますよ」と薦めるようにしています

でも結局「何年もそのままにして私も使わないから」「周りもみんな持っているから」と手放す方がほとんどです

やはり需要が少ないものは、周りでも欲しがる方が少ないという事でしょう

そしてここから当社が努力している所ですが、この需要がなくなってしまって買取が難しいものをいかに買取が出来るようにするために、とにかく幅広い売り先を確保するようにしています

店舗販売・ネット販売・イベント販売・業者市場(複数)・海外輸出業者など他の業者よりも販路は多く持つようにしています

これが利益を上げる事と買い取れる品物の種類や量を増やすコツだと思っています

結論になりますが買取の価格は需要に準じてになりますし、正確な需要を常にチャックしている事は大事なことです

その上でいかに需要が少ない品物を捨てさせずに、買取できるようにするかが今後の買取業者の成否に関わってくると思います

 

 

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