古物の世界とミニマリストの時代

2023-01-18

  • 買取業界の事情

ミニマリストとは2010年頃から海外で生まれた言葉で、その後日本でも使われるようになりました

具体的には持ち物をできるだけ減らして必要最低限のものだけで暮らす人の事になります

大量生産・大量消費の現代社会において注目されているライフスタイルです

自分で厳選したものを少量持ち、それを長く大切に使っていくという事で環境問題の深刻化などを背景に徐々に広がっています

たしかに買取にお伺いする中で私と同世代(40代)やその下の世代の方たちのご自宅に行くときは、本当に荷物が少ない家もあり60代以上の方や遺品整理に伺った時などと比べると明らかに物量は少ないと思います

この考え方・ライフスタイルはSDGS(持続可能な世界)の流れもあり日本においては主流になってくるかもしれませんし、さらにミニマリストは金銭的には余裕があっても必要ないものは買わないというものですが、30年くらい経済成長をしていない日本においてはそもそも最低限のものしか買えない層も増えてくるだろうし、何より少子化も加速していくのでますます国内から品物が減っていく事は確実だと思います

それは世界トップの経済大国であった時代には考えられないことで、当時は消費は美徳くらいに思われていて高価なものを買ってもまた稼げばいいや位な考えの人も多かったみたいで、それこそ美術品も今では考えられないような価格で飛ぶように売れていたみたいです(本当にうらやましい時代です)

そんな時代がもう来ないことは十分承知したうえで、これからどうやって生き残っていくかを考えないといけません

当社のような買取業者は現状メインのターゲットは団塊世代の方たちになり、その方たちの品物を買取らせていただいてそれを国内で売れる品物は国内で販売し、それが難しい場合は海外の業者に売るようになります

特にこの海外の業者(主に中国やタイ・フィリピンなど)が年々力をつけてきていて、日本人以上の購買力がありそのお陰で10年前だとお客様から買取できなかったような品物がしっかりと買取できるようになっています

しかしその海外の業者が盛んに日本で買っているのも、日本に質の良い品物が大量にあるからに違いありません

今後団塊の世代の人たちの荷物整理が終わってしまい、ミニマリストの世代に移ってしまうと今までのような物量・質の買取は難しくなってしまいます

そうなると資源(品物)のなくなった国にわざわざ買いに来なくなり、当社のような買取業者は仕入れも販売も難しくなっていくでしょう

我々古物商の商売というのは扱う商材の種類や金額などは、その業者によって大きく異なりますが基本的に品物を仕入れて次の持ち主に渡すのが仕事です

なので何かを生み出したりするわけではないので、どうしても世の中の流れに大きく左右されてしまいます

冒頭から書いているようにミニマリストの時代になると、今までのようなやり方では難しくなっていくでしょう

もちろん先の事・次の一手は常に考えていかなければなりませんが、少なくとも今は厳しい時代に向かっていることを実感しながらお客様の要望に的確に応えていけるようにしなければなりません

それにしてもバブル期を過ごした先輩たちはいいなあとつくづく思います

 

 

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