骨董業界における経済格差(買取業者を含む)

2022-02-07

  • 買取日記

日本も一億総中流といわれた時代はとうの昔に終わり、今はいわゆる中流といわれていた人達が所得が増えず税金や社会保障費の増大で疲弊し低所得者が増え続けています

全体的に諸外国と比較してだいぶ貧しい国になりました

多くの富はごく一部の富裕層に集中しています

この現象はトータルで見ると良い事よりも悪い事の方が多い気がしますし、何とか改善してもらいたいですが特に現役世代が払うべき税金は高すぎる気がしてなりません!

と個人的な愚痴はさておき、骨董業界にもこの経済格差がここ数年でとみに広がってきたのを強く感じます

まず当社のような骨董品買取業者の業界については、特に大手が続々と参入してきた事がその理由の一つになっています

ブランド・貴金属をメインとして上場しているような企業が骨董品買取にも進出してきています

彼らの強みである資金力(広告)・知名度(安心感)・従業員数(マンパワー)を生かしてもともと個人商店規模の買取業者を駆逐する勢いで勢力を拡大しています

まず彼らは資金力が違います、広告費も月数十万円と数千万円ではお客様にアプローチできる率が全然違いますし、上場企業であるという事やタレントをイメージキャラクターで使ったりテレビCMを流したりすると、骨董品買取を希望する年齢層(主に中高年)の方達は安心するみたいで電話などをしやすくなります

またネットの世界でも広告ボリュームはもちろん、検索順位に関してもグーグルの最近のアップデートを見ていると個人レベルでなく大規模な方を優先的に上位表示する傾向があり大手にますます仕事が行きやすくなっています

個人商店の規模で昔ながらのやり方を続けている所は特に厳しいと思います

仕事が来なければ仮にどんなに目利きだとしても意味がありません

そうして売り上げが下がると広告費を減らして、また仕事が減るという悪循環に陥ってしまいます

もちろん大手が100%儲かっていて個人商店が100%儲かっていないかというとそんな事はありませんし、規模は小さくても努力して成長している所もありますし、大手は売り上げが高くても経費も膨大なので大変だと思います

しかし勢力図が大きく変わってきて、それが今後も進んでいくことは間違いありません

この流れに当社ももちろん影響は受けています

一応株式会社で複数のスタッフ・車・店舗・倉庫で動いていますが、規模でいえば大手と比べるまでもありません

それでも大手にはできない部分で集客をして、お伺いさせていただいたお客様に納得してもらってお陰様で売り上げは伸ばせていますが、10年前だったらもっと楽だっただろうなあと思ったりします

またお客様から直接買わせていただく買取業者と異なり、業者市場で競り合って仕入れる骨董屋の中でも前よりも格差は広がっているように感じます

もともと目利き・資金力・度胸などに優れている人達が勝っていく世界でしたが、何でも売れていた時代と異なり今は売れる品物が限られていてそこにみんなが注力している状況なので中途半端な目利きではなかなか難しい時代になってきています

そんな厳しい業界の中で成功してもう働かなくてもいいくらいの人ほど、不思議なもので誰よりも働きます

業者市場も休まずに早く来て、最後までいてわからない事は何でも調べて、人に聞いて、そりゃあ成功するよなという感じです

そうして成功した人たちは使えるお金が増えるので、買える品物も増えてそれが知識になってますます目利きになります

そうでない人との目利き・資金力の差はどんどん大きくなっていきます

結局ここ数年の流れを見ていると買取業者にしても骨董屋にしてもこれだけネットで情報が取りやすくなって、大手も参入してきている中で成功して成長し続ける事は相当難しい時代になっています

そんな中で当社もしっかりと戦略を練って新しい情報を入れながら、頑張っていきたいと思います

 

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