古物業界におけるコロナの影響と最近の変化 買取など

2020-05-27

  • コロナの影響

当社のブログで初めてコロナの影響について書いたのが3月18日で、それからオリンピックの延期・外出自粛・緊急事態宣言と日本中がコロナ一色になっていきました

当然様々な業界が影響をうけて、かなりな被害を受けてしまったところも多く、関連する不況はこれから本格化するのでしょう

そんな中、我々古物業界が受けた影響に関して書いていきたいと思います

①イベント・骨董市・フリマ  2月下旬から徐々に中止のところが増えてきて、3月下旬にはほぼすべての人が集まるイベントが中止になりました。これにより骨董市などで売ることがメインの人たち(露天商)が売り先がなくなったため、仕入れも止めるようになり、それにつれて古道具などの骨董市向けの品物が業者市場でも売れなくなりました。そのため当社も骨董品でない工芸品や贈答品などの買取も、前よりは積極的に買取が出来なくなっていました。まだ今のところ骨董市・フリマなどは一部を除き再開の目途はたっていなくて、話で聞くと郊外で開催された骨董市などはほとんどお客さんも来なかったようで、再開されても元のような客足が戻るには時間がかかりそうです。当社も骨董市は出店していませんが、代官山Tサイトで毎月のように出店していたイベントや東京蚤の市という大型のイベントが中止になりました。両方とも多くの来場者が集まるイベントだったので再開には時間がかかりそうです。個人的にはイベントも好きなので、ビジネスの面以外でも残念ですが仕方がないです

②実店舗営業  4月半ばからの緊急事態宣言に伴う感染拡大防止協力のため、多くの古物業者が店舗休業を余儀なくされています。お店によってはそれ以前から時短や営業日の縮小、予約制にしていたお店もありましたが、どちらにせよ売り上げ減は避けられず、休業してしまうと売り上げも0になって品物も動かないため、新たな仕入れも難しく特にスペースのとる家具などは業者市場でも取引金額は平均的に安くなりました。また、古物を扱う業者に限った話ではないですが、実店舗の場合やはり家賃負担が大きく、同業者の中には店舗を閉めてネットメインに切り替えるところも出てきています。残念ですが、それも仕方ない事なのかもしれません。また再開に関しては店舗の方がイベントに比べて緊急事態宣言の解除にあわせて営業を再開するところが多いと思います。しかしイベントと同じく以前のような客足が戻るかどうかはわかりません。当社は「トランジットライフ」という古家具・古道具の販売店も持っていますが、こちらも4月15日から休業をしています。解除後再開はするとはおもいますが具体的にはまだ決まっていません、今までと同じやり方でいいのか考えながら進めていくつもりです

③古物業者市場  古物免許を所有している業者だけが参加できる古物業者市場は、その市場ごとに対応がわかれました。コロナに関係なく1度も休まずに開催しているところもありますが、3月下旬より休会しているところもあります。再開に関しては都内は6月から東京以外の関東はGW明けくらいから行っています。しかし感染防止対策として入札制度に切り替えたり、体温の測定、マスク着用の義務付けなど色々変化はしています。しかし再開したところもまだまだ以前の活気はないようで、買う側の中心だった中国人や東南アジアのバイヤーなどが減ってしまったのと、中心年代の60~70代の人の中には感染が怖くて参加を取りやめる人もいるからです。また、骨董市や店舗の休業のため仕入れがあまり必要なかったり、元の活気・価格に戻るにはもう少しかかりそうです

④ネット販売  古物業界の中で唯一ここだけは大きな被害を受けていなく、むしろ外出自粛による影響で売り上げが上がったところも多いほどです。骨董市もなく店舗休業や業者市場もないので、集中的にネット出品を進めた業者も多く、ネットがこういう災害時に強いという事が証明されたともいえ、実店舗に比べて高い家賃もかからないため今まで本腰を入れてこなかった業者もこれからネットが主力になっていくでしょう。もちろんコスト的なこともあり年々業界的にもネット依存は進んできましたが、それがますます加速していくことになります。コロナが終息してもネットをうまく活用できないと厳しくなるのでしょう。当社もネット販売向けの商材のさらなる勉強と仕入れ強化やネット環境への投資などを進めていくつもりです

⑤海外輸出  ここ数年、大型家具や食器・ぬいぐるみ・雑貨など幅広いジャンルを買い支えていた東南アジアのバイヤー達が、コロナの影響でパタッと業者市場にも来なくなりました。輸出に制限がかかったり、国までは届いても港でストップしたり混乱が続いているみたいなので当然といえば当然ですが、これにより古物市場でも価格が急落してしまいました。もともと日本国内であまり人気のなかったものだったので、海外輸出の需要がなくなるとほとんど値段がつかなくなってしまいます。なので当社でもコロナ前でしたら、買取していた比較的新しい大型家具や中古のブランドのない食器なども場合によってはお断りすることも出てきました。そうするとゴミとなってしまうので何とかしたのですが、売れなければ仕方ありません。ただし、欧米に比べると東南アジアの方が被害も少ないので日本と東南アジア間の貿易は早めに元に戻るかもしれません。そうなれば前と同じように買取も復活できるのですが

⑥買取  買取に関しては国や都からの休業要請などはなく、同業者に聞いても営業自体を止めたところは聞いたことはありません、ただし多くのところはこういう状況なので広告を減らしたり、リピーターや紹介だけを対応したり、地域を近隣だけにするところが多かったと思います。当社も3月中はそれほど影響はなかったのですが、4月より店舗を休業したり、広告を減らしたこともあると思うのですがピタッと問い合わせが減りました。確かにその時期に人は呼びたくないだろうし当然だと思いました。この間は空いた時間を使ってブログの更新に力を入れたり、倉庫整理などをして過ごしていました。おかげでサイトのアクセス数も増えてきて、倉庫の空きスペースも前より確保できました。最近はお問い合わせも少しづつ増えてきて、前に戻ってきているような気がします。

このようにコロナの影響は業界の様々なところに出てきています。しかしどのような状況になってもその状況に適応していくものだけが生き残っていくのは自然の摂理だと思います。なので深沢美術店としても今回の件はネガティブだけに捉えず、今後に活かしていきたいですし実際いくつか無駄も省いて効率よく動けるようにしていってます。6月からが勝負だと思っていますので、ぜひやる気のある当社にお声がけください

 

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